天皇皇后や皇族の護衛など、皇室の警護を担う皇宮警察本部で、また複数職員の乱倫な勤務実態が「文春オンライン」特集班の取材で明らかになった。

「規律を重んじる皇宮警察ですが、皇宮巡査部長2名と皇宮巡査1名の計3名の男女による不倫関係が発覚し、副本部長や所属長からの注意が行われました。3名の職員はその後、依願退職しています」(皇宮警察関係者)

祝賀御列の儀での皇宮警察 (皇居正門鉄橋脇、2019年11月) ©JMPA

《不適切な異性交際》は国家公務員法違反

 取材班が情報をもとに皇宮警察本部へ情報開示請求を行ったところ、5月13日に《副本部長注意》や《所属長注意》と題された3通の文書が開示されたのだ。

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 そのうちの1通がこれだ。A4、1枚にまとめられた短い文章だが、個人名と思しき部分など6カ所が黒塗りになっている。皇宮警察の警察官は、正式には「皇宮護衛官」と呼ばれるが、以下は、同僚女性2名と不倫関係を持っていた男性の皇宮護衛官・Aさんへの注意だと思われる。というのも、文書内に「複数の~」という記載があり、女性2人との複数の不適切な異性交際について注意されたことがわかるからだ。

 皇宮警察職員は地方公務員ではなく国家公務員であるため、国家公務員法に抵触したことが記されている。国家公務員法第99条は「職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」として、公務員の信用失墜行為を禁止している。

副本部長注意

 

■■■■■

皇宮巡査部長■■■■■

 

 君は、■■■■■であるにも関わらず、平成31年2月から令和2年1月までの間、■■■■■において、相手が■■■■■であることを知りながら、複数の■■■■■と肉体関係を伴う不適切な異性交際を行った。

 このことは、皇宮警察職員として公務の信用を失墜する不健全な生活態度であり、国家公務員法第99条に規定する信用失墜行為に該当する。

 よって、皇宮警察本部職員の懲戒の取扱いに関する訓令第2条の規定により注意する。

 

令和2年1月29日

皇宮警察副本部長

皇宮警視監 奥野省吾

皇宮警察による情報開示で明らかになった皇宮護衛官・Aさんへの注意と思われる文書。他にはない「複数の■■■■■と肉体関係」という文言がある

 そして残り2通は、Aさんの不倫相手だった2人の女性皇宮護衛官への注意だと思われる。皇宮巡査のB子さんと、皇宮巡査部長のC子さんだ。

皇宮警察によって情報開示された皇宮護衛官・B子さんを注意したと思われる文書
皇宮警察によって情報開示された皇宮護衛官・C子さんへの注意と思われる文書

既婚者3人による「二股ダブル不倫」だった

 3通すべてに《肉体関係を伴う不適切な異性交際》と記されているのが特徴で、ほぼ同一の内容だが、よく見ると異なる部分がある。

「処分内容や階級は問題視されていた3人と符合します。大きく異なるのは《不適切な異性交際》の期間です。それぞれの文書を見ると、Aさんは《平成31年2月から令和2年1月》となっていますが、B子さんは《令和元年9月から12月》、C子さんは《平成31年2月から令和2年1月》とされています。

 つまり、AさんとC子さんが昨年2月から今年初めにかけて、約1年にわたって関係を持っていた間に、昨年秋から昨年末にかけてAさんはB子さんとも4カ月にわたって不倫関係を持っていたことになる。3人とも既婚者ですから、“二股ダブル不倫”とでも言いましょうか。赤坂御用地内にある『赤坂護衛署』に勤務する皇宮護衛官たちです」(前出・皇宮警察関係者)