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皇室のプライベートな空間で……

 東京都港区元赤坂2丁目のほぼ全域を占めている「赤坂御用地」には、天皇皇后がお住まいになっている「赤坂御所」をはじめ、秋篠宮ご一家や三笠宮ご一家、高円宮ご一家など、皇族方のお住まいがある。そんな赤坂御用地内の警備を担当するのが皇宮警察「赤坂護衛署」だ。

祝賀パレード、赤坂御所車寄せでの皇宮警察音楽隊(2019年11月) ©︎JMPA
赤坂御用地の地図 ©文藝春秋

「赤坂御用地は毎年、春と秋に行われる園遊会が開催される場所として有名です。各界功績者や国会議員らが招待される園遊会はテレビカメラも入り報道されるため、その様子を目にしたことのある人も多いと思います。ただ、赤坂御用地は皇居と違って一般公開されておらず、国民が敷地内に入る機会は滅多にありません。

 というのも赤坂御用地は、敷地面積が皇居の半分の50万平米とはいえ、天皇皇后両陛下をはじめ複数の宮家が居を構えており、皆様が普通にお暮らしになっているわけです。お庭を散歩されることもあるし、敷地内にあるコートでテニスをなさることもある。プライベートな空間を一般公開するわけにはいきません」(同前)

和歌、華道、茶道なども学ぶ「格式高い皇宮護衛官」

 その皇族方のプライベートな空間をお守りするのも、皇宮警察の役割だ。皇宮警察の内部事情にも詳しい皇室ジャーナリストの朝霞保人氏が説明する。

「皇宮警察は、警察庁の付属機関という位置づけで、組織上は警視庁や各都道府県警と横並びで、『48番目の警察本部』とも呼ばれています。本部は皇居内にありますが、都道府県警の警察署にあたる護衛署は、皇居に2つ(吹上護衛署と坂下護衛署)、赤坂御用地に1つ(赤坂護衛署)、そして京都御苑に1つ(京都護衛署)、計4つあります。皇宮護衛官は900人余りで、これは47都道府県で最も人数が少ないとされる鳥取県警察本部の約1100人よりも少ない人数です。

皇宮護衛官(2019年1月) ©︎文藝春秋

 皇宮警察として採用されると全員が必ず皇宮巡査という階級で皇宮警察学校に入り、大卒者は6カ月、高卒者は10カ月の間、皇室をお守りする皇宮護衛官としての教育を受けます。情操教育として和歌に華道、茶道などの教養も学びます。皇宮警察本部は、格式高くあるべきなのです。皇宮警察本部長や副本部長といった要職は、数ある警察キャリアのポストの中でももっとも名誉あるものの1つだと言われています。