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2017年12月には児童ポルノのDVDを所持していたとして30代の皇宮護衛官が書類送検され、2015年7月には皇宮警察学校の学生の給食費など30万円を着服した教養課の30代男性警部補が書類送検され停職1カ月の懲戒処分を受けています。今回問題となった赤坂護衛署でいえば、2006年に19歳の男性巡査が貸与されている拳銃で自殺を図ったという前代未聞の事件もありました。
皇宮警察に不祥事が続出する「2つの要因」
不祥事が続々と発覚する背景には、大きな要因が2つあると考えられます。1つは皇宮護衛官が、狭く閉鎖的な世界で生活しているということ。勤務先が限定されるため、人間関係は濃密です。ねたみそねみ、足の引っ張りあいも多く、不祥事の大半はこうしたことから発覚しています。
そしてもう1つは、緊張感の欠如。昭和の時代は極左暴力集団が跋扈しており、皇宮警察も緊張の連続を強いられていたのです。平成に入ってからも昭和天皇の大喪の礼に反対するテロが相次ぎました。ですが、ベルリンの壁撤去と旧ソ連の崩壊といった社会主義・共産主義の退潮傾向に伴い、極左の反天皇制闘争も下火となり、皇室警備の現場の緊張も緩んでいった。不祥事の続発は、その延長線上にあると言っていいでしょう。
この2つの要因が負の連鎖を生んでいるのです。意識改革が急務ですが、その道のりは険しいと言わざるを得ません」
6月26日(金)21時から放送する「文春オンラインTV」では、乱倫な不祥事の続く皇宮警察の現状など本記事について取材担当記者が詳しく解説する。