別の皇宮警察関係者もこう話す。
「AさんとB子さんは勤務中も他の職員が容易に気付いてしまうくらい距離が近かった。赤坂護衛署は地下1階から地上2階がある建物で、2階にデスクや給湯室、更衣室などがあります。2人は、Aさんのデスクや給湯室で会話をしたり、ほぼ密着している状態で話していました。また赤坂御用地は、皇居と違って一般公開がない。外部の目がなく、かなり閉鎖的な空間だと言えます。2人は人目を憚ることもなく、じゃれあっていたのかもしれません」
護衛部長と同じ福岡出身で「出世しそうな人物」
Aさんは赤坂護衛署内でも優秀な皇宮護衛官として、一時は人望を集めていた。
「30代の皇宮巡査部長で、赤坂護衛署の警備課に所属していました。常日勤で、選ばれた人が配属されるイメージの警備課ですが、若い頃から警備課に所属するAさんはいわばエリートでしたね。短髪で男らしく爽やかな容姿で、署内でもイケメンと言われていた。ですが、プライベートは乱れがちだった。実際に今回の不倫相手以外にも、護衛官の後輩女性に酔って連絡をしていたこともあった。『今度、合コンしよう!』と頻繁に誘われた後輩女性もいました。赤坂護衛署内は携帯電話の使用が基本的に禁止なのですが、実際には携帯を使用している人は多く、短い時間の使用ならば黙認されていたのです。Aさんも署内で女性職員らと連絡先を交換していたようです」(同前)
Aさんは今年、護衛部長に昇任した人物にも可愛がられていた。それが理由で出世しそうな人物だと目されていた。
「Aさんは福岡出身で、護衛部長も同じ福岡出身なんです。他にもいる福岡出身の人らで集まった『紅梅会』と呼ばれる会があった。『紅梅会』は皇宮警察内でも優秀な面子が揃っており、かなり“勢い”がある人たちが集まっていました。護衛部長は叩き上げで出世した優秀な人物です。そんな護衛部長に可愛がられ、“出世株”と目されていたAさんを他の上司らも注意などしづらかったようです。さらにそのおかげでAさんは出世が早いとも言われていました。不倫が発覚する前も昇任が決まっていたという話もあります」(同前)
不適切な関係を問題視されたB子さんは「門番」に
B子さんは“署員”と呼ばれる4交代制の勤務だった。
「20代の皇宮巡査であるB子さんは、『1班』『2班』と班ごとに分けられ4交代制で24時間警護にあたる、赤坂護衛署内では“署員”と呼ばれる勤務形態でした。各都道府県の警察でいうと、交番などで働く地域課のようなイメージですね。仕事には門での警備やモニター映像を監視する役割などがあります。他にも無線の通信を振り分けるなど、基本的な仕事が多いです。
しかし、赤坂御用地内の警備はトラブルがまったくない。何もないことは警備にとってはいいことなのですが、それだけヒマをもてあますということでもある。交代までの90分間、森の中に立ち、人が通ることもない場所を見張るのです。人じゃなくてタヌキが寄ってくるということもよくある。Aさんとじゃれ合う姿が目に余り、B子さんは主に署内2階で行う通信などの任務ではなく、外に立つ門の警備を中心に振られていました」(同前)
内部告発によりAさんとB子さんの不適切な関係が問題視され、本部が調査する中で浮上したのが、Aさんのもう1人の不倫相手、皇宮巡査部長のC子さんの存在だった。