昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2020/07/12

genre : ニュース, 社会

別格扱いの大物組長、風格あるカタギも存在感

 前出の稲川会系幹部は「横浜刑務所での服役が多かった。横浜は施設が大きく、自分がいた当時も700人以上が服役していた」と振り返る。

 刑が確定した被告を刑務所に割り振るにあたって、犯罪傾向の進度によって、進んでいない者は「A級」、進んでいる者は「B級」と区分けされる。暴力団構成員は当然のようにB級に分類される。

 さらに、刑期が8年以上、無期懲役までは通称でロングと呼ばれ、長期受刑者が多い刑務所に収容される。

 B級を主に収容している刑務所は横浜のほか東京の府中や大阪、神戸、広島、福岡など大都市にある。6代目山口組若頭の高山清司が府中刑務所で服役したことは冒頭で触れたとおりだが、組長の司忍も同刑務所に服役して2011年に出所している。B級を収容している刑務所では、受刑者の半分以上が暴力団関係者ということもある。

府中刑務所を出所した山口組の司忍組長を取り囲む警察官と刑務官ら(2011年4月) ©共同通信社

 刑務所内の部屋は12畳の雑居房に6人が基本だが、受刑者が多くなると7~8人が詰め込まれることになる。前出の稲川会系幹部が、部屋内の序列について解説する。

「部屋の中では、古くからいる先輩格から、入って来たばかりの新入りまで自然と序列が出来る。部屋の中で布団を敷いて寝る際には、一番奥はボス格。奥から順番に先輩から後輩へとなり、入り口に近いところは新入りとなる」

 さらに大物組長となると独房に入ることになるという。

「ヤクザの大物親分が来るらしいなどといった情報は自然と伝わってくる。どの人か分からないようなこともあるが、やはり大物はそれなりの処遇を受ける。自分がいた刑務所内の部屋に、後に山口組の大幹部になった人がいた。刑務所内では良好な関係だった」(前出・稲川会系幹部)

 ヤクザの大物親分でなくとも、受刑者の間である程度の処遇を受ける人もいる。

「ヤクザとは無関係のカタギの人でも、それなりの風格があって一目置かれるという人もいた。すべては人物次第ということだ」

 当然のことながら、暴力団の対立抗争事件などが起きている場合は、対立する組織の組員同士が刑務所内で鉢合わせすれば、その場でケンカになりかねない。こうした事故が起きないよう刑務所で事前調査が行われ、トラブルは事前に回避される。