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まるで野菜! 湖池屋・佐藤章社長が明かす「じゃがいも心地」誕生の裏側とは

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 湖池屋の本社は東京都板橋区成増の住宅街にある。1階受付用のテーブルには、東北地方の杉や京都の竹が使われている。本社2階のエントランスに向かうと、「湖」のロゴの入った藍色の大きな暖簾が掲げられている。こうした本社内の和の風情が、老舗スナックメーカー復活の象徴だと言われる。

「第3の創業の必要がある」とラブコール

 そんな湖池屋のトップを務めるのが佐藤章氏。もともとはキリンビールに入社し、キリンビバレッジの社長も務めた。「生茶」「FIRE」などのヒット商品の開発を手がけるなど、業界内では誰もが知る存在だ。

湖池屋・佐藤章社長 ©財界さっぽろ

 2016年秋、佐藤氏は創業家の小池孝会長から「第3の創業の必要がある」とラブコールを受け、湖池屋にやって来た。

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 佐藤氏は社長に就任してすぐ、ロゴマークを一新した。創業の原点に立ち返ることが必要だと考え、「日本の老舗お菓子メーカー」であることを際立たせるため、六角形の中心に“湖”の文字を配置。和の世界観を取り入れ、家紋のようなデザインにした。

 そんな湖池屋と切っても切れないパートナーが北海道だ。創業以来、原材料の「国産じゃがいも100%」にこだわり続けているが、そのうち約80%は道内産を使用している。

 佐藤氏は「北海道を抜きに当社のポテトチップは語れない」と断言する。