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2020/07/16

「間違っていたという指摘は受け入れる」

 新型コロナに対する米軍の対応をめぐっては、これまでも県内で不満の声が上がることが少なくなかった。米軍では、半年ごとの人事異動で部隊の入れ替えが行われるため、米国本土からウイルスが持ち込まれる危険性が指摘されていたほか、米軍が感染者数や感染経路についての情報公開に消極的だったことも、不信感を増大させる一因となっていた。

 感染拡大が収束しない中で行われた問題のイベントが、コロナ禍で過敏になっている県民感情をさらに逆撫でする格好となってしまったわけだ。

新型コロナウイルス対策で米軍普天間飛行場のゲートに入る車両を検問する米兵 ©︎時事通信社

 渦中のイベント主催者の男性は、7月14日に地元紙「沖縄タイムス」の取材に応じて、「油断だった。(イベント開催は)間違っていたという指摘は受け入れる」と釈明している。この取材で、2014年に海兵隊を退役した元米兵であることや、退役後に県内で暮らし、イベント企画を手掛けたりしていることを明らかにしている。

基地内で感染が広がることには神経をとがらせても

 男性によると、今回の件で日本と米国双方の保健当局から接触はないとし、「信頼できる筋からイベントでの感染者はいないと聞いている」とも明らかにしているが、今後、米軍内で感染者がどれほど増えるかは不透明だ。

極東最大規模の「嘉手納基地」でも感染者が確認されている ©︎iStock.com

「軍事機密と自前の兵士らのケアを優先する米軍にとって、県民の健康は二の次です。コロナの感染が基地内で広がることには神経をとがらせても、基地から基地外にウイルスが広がるリスクにはそれほど過敏になっていないように感じます。

 兵士の行動を制限せずに安易に基地外のイベントへの参加を許したことからも、リスク軽視のそしりは免れません。米軍は、これまでにも事件の容疑者となった米兵の身柄引き渡しを日米地位協定を盾に拒否するなど、県や県民を軽んじる対応を繰り返してきましたが、今回もその体質が浮き彫りになったといえるでしょう」(先の地元関係者)

 普段から米軍人・軍属の事件や事故が絶えない沖縄。県民は、日頃の鬱憤とともにコロナ禍での身勝手な行動への怒りも募らせている。

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