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「夫がマスクなしで出かけます」の解決法は「主語を変えてみる」?――中野信子の人生相談

あなたのお悩み、脳が解決できるかも?

2020/07/21

 緊急事態宣言下の4月22日~5月4日に、「文春オンライン」にて、みなさまのコロナ禍のお悩みを募集しました。お寄せいただいた中から全7つのお悩みに、脳科学者の中野信子さんがお答えします(全7回中2回/1回目を読む/3回目以降は後日公開予定)。

中野信子さん ©文藝春秋

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Q 夫がマスクなしで出かけます──52歳・コロナ切りされて求職中の妻からの相談

 夫がクシャミを連発するのでマスクをするよう促したところ、「神経質すぎる!」と逆ギレ。仕事なんだか私用なんだか毎日のように出かけるのに、いまだにマスクをした姿を見たことがありません。感染しても自業自得ではありますが、家族にうつされたくありません。

発売中の『週刊文春WOMAN vol.6 (2020夏号) 』に掲載

A このコーナーにも私の個人的なSNSにも同じお悩みがたくさん届いています。家族が感染しないように妻は一生懸命気を配っているのに、夫が平気で出かける。夫婦の危機感に差があり過ぎて「夫は死ねばいいのに」などと不穏なメールが来ることも。

 かくいう私も夫と揉めたばかりです。夫の職場は大阪芸大で、休講中のはずなのに新幹線に乗って出かけていくのです。「どうして出かけるの? おかしくない? もしかして待っている彼女でもいるのかな……?」と皮肉を言ったところ、否定するでも肯定するでもなく、いつもの穏やかな調子で「どうしたの。心配かけてごめんね」というのです。

 私の問いにバカ正直に答えることを避け、心配な気持ちには共感で返す。うまいなあと思いました。人間というのは論理で動いているのではないのです。

 既婚男性の皆さん、ぜひこのやり方を真似してみてください。喧嘩の回数は劇的に減りますよ。妻から「こんな時に、なぜ出かけるの」と問い詰められた場合、「僕のことを心配してくれているんだね。ありがとう。うれしいよ。でもどうしても行かなくちゃいけないんだ」と共感的に返事するだけで、妻の攻撃の8割は止むでしょう。

「死ねばいいのに」メールも「うちのダンナはバカだから出かけちゃうのよね~」程度に変わっていくことでしょう。