きょう7月20日は、コメディアンの間寛平の誕生日だ。71歳となったいまも、大阪・朝日放送の長寿番組『探偵!ナイトスクープ』で探偵を務めるなど、体を張った活躍を見せている。

『ナイトスクープ』の探偵局に寛平が入局したのは1996年5月と、今年で25年目に入った。最近では、今年1月に、おならが出る瞬間の肛門の動きを見たいという視聴者の依頼に応えたのがケッサクだった。このとき、寛平探偵は検証のため、自らお尻をむき出しにしておならが出るのを待った。もちろん肛門を実写するわけにはいかないので、イラストレーターを呼んでスケッチしてもらい、パラパラマンガで再現することになる。そこで寛平探偵は思わず力が入ったのか、おならだけでなくミもちょっと出してしまったのだ。パラパラマンガではそのハプニングもしっかり再現され、公開収録の客席からは悲鳴が上がり、ネットでも反響を呼ぶ(ちなみに筆者の住む地域では『ナイトスクープ』は関西地区より1週遅れで放送されているのだが、この回だけはネット局側がNGと判断したのか、ほかの番組に差し替えられていた)。こうした下ネタは一線を超えると笑えなくなってしまう。それが笑いになっていたのは、やはり間寛平というキャラクターあってこそだろう。

7月20日、71歳の誕生日を迎えた間寛平(2003年撮影) ©文藝春秋

芸人のきっかけは「トラック追突事故」

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 高知出身の寛平は、小学6年のとき大阪に転居した。高校卒業後は、「20歳まではいろんな仕事をしてみろ」という父の言葉に従い、5トントラックの運転手やタイル職人などさまざまな仕事を経験する。お笑い芸人になろうと思い立ったきっかけは、交通事故に遭ったことだった。無職になって、小遣い稼ぎに白タクをやっていたところ、トラックに追突されて車ごと民家のトイレに突っ込んでしまう。この事故で負傷して入院中、ラジオをつけるとしょっちゅう吉本興業の芸人が出演していた。それを聴くうち、自分でも「こんなんやれたらええなあ」と思うようになったという。そのことを見舞いに来た中学の同級生に話すと、勤務先の飲食店によく芸人が来るから紹介してもいいと言ってくれた。ここから漫才師の鳳啓助を紹介してもらう。鳳には弟子が多いからアカンと断られたものの、当時大阪で売れていた「すっとんトリオ」のところに行くといいと勧められた。そこでトリオのリーダーの松田武夫のもとを訪ねたところ、やる気があるならと通天閣近くのストリップ劇場で修業するよう言われたのだった。寛平は劇場に行ったその日のうちにステージに立つと、芸人生活をスタートさせる。それは1969年10月10日、彼が20歳のときだった。