緊急事態宣言下の4月22日~5月4日に、「文春オンライン」にて、みなさまのコロナ禍のお悩みを募集しました。お寄せいただいた中から全7つのお悩みに、脳科学者の中野信子さんがお答えします(全7回中5回/4回目を読む/6回目以降は後日公開予定)。

中野信子さん ©文藝春秋

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Q リストラされるかもしれない──26歳・シングル・会社員からの相談

 会社は臨時休業となり給料は6割支給になりました。しかし、ほかの社員には10割支払われていることがわかり、リストラも始まったことから、次は自分がリストラされるのではないかと毎日不安です。こういう不安な気持ちとどう向き合えばいいでしょうか。

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発売中の『週刊文春WOMAN vol.6 (2020夏号) 』に掲載

A 自営業者の方の経済的困難についてはニュースになりますが、会社員の方の声はなかなかメディアに拾われていないですね。今回、このように会社員の方の声を皆さんに知っていただく機会を持つことができて、よかったと思います。お悩みをお寄せくださってありがとうございます。

 コロナによって多くの事物が変化を余儀なくされています。これからの仕事や生活がどうなってしまうのか、これは誰でも共通の不安でしょう。もちろん、私自身もあれこれ考えます。

 まず悪いほうから考えましょう。もし仮に、あなたが一番早くリストラを言いわたされたとしても、それは勝ち負けということにはつながりません。むしろ新しいスタートをいち早く切ることができて、この先の人生ちょっと有利かも、と見ることさえできるのです。

 それに、会社からリストラされても、別に死にません。命は続いていくし、食べていくだけなら方法はたくさんある。思いついたことから何だってやってみればいい。失敗してもいい。とりあえず死ぬよりは価値があります。