日本列島で猛威を振るう新型コロナウイルスは、あらゆる業種に大きなダメージを与えている。
化粧品業界も例外ではない。外出自粛によるライフスタイルの変化、緊急事態宣言下での百貨店の休業、インバウンド(訪日外国人観光客)需要の減少などにより、業績は大きく落ち込んだ。
業界最大手の資生堂もその影響は免れず、5月12日に発表した2020年1~3月期の連結決算は、純利益が前年同期比で96%減の14億円となり、発表済みの20年12月期通期の業績見通しを取り下げることとなった。
“マスク着用の生活”の影響は?
さらに、新型コロナは日本人の「美」に対する意識までもを変えようとしている。
「文藝春秋」8月号では、2014年から同社の社長兼CEOを務める魚谷雅彦氏(66)のインタビューを掲載しているが、魚谷氏自身、ここ数か月、コロナ禍での「美」については考えさせられることが多かったという。
「街中にマスク姿の人々が溢れ出した頃から、弊社の美容部員に、生活者の方々から相談や問い合わせが多く寄せられるようになったと聞いています。『マスクを着用する時のアイメイク、眉のメイクはどのようにすればいいですか』、『マスクで肌荒れしてしまったが、どうすれば治るでしょうか』といったものです」
それでは今後、生活者の「美」に対する価値観はどのように変化するのだろうか。