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 その仕事にだんだんハマっていっちゃって。シフトは週2くらいでいいのに毎日オフィスにいた時期もあります。週末になっても土日両方いることもありました。早番・遅番のシフトがあるのですが、ときにはその両方をやっていたことも……それくらいのめり込んでいたんです。

 そのバイトをしているときに、ちょうど御巣鷹山の事故(1985年)がありました。真夏の週明けでしたが、ぼくもたまたま仕事が入っていた。第一報をアメリカのNBCに伝えたのはいまでも強く印象に残っています。同じ年、タイでクーデターがあったとき、実はNBCのオーストラリア人カメラマンが死亡しています。取材中、タイ軍に銃撃されたのです。そういった映像が世界中からどんどん入ってくる。

 この仕事を通じて「世界ってこんなにすごいことが起きているんだな」と実感したんですね。学校で勉強して知るよりも、当たり前ですけど、リアル。ダイレクトに伝わってくる情報の衝撃は、自分の中に強烈に刻まれました。そのあたりから情報や映像に携わる仕事をすごく望むようになりました。

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「情報が人間を熱くする」

 ぼくがリクルートを志望した理由は、このNBCでのアルバイト経験が大きく影響しています。映像やニュースなど「情報が人を動かす力」にすごく感銘を受けたんです。若気の至りなのかもしれませんが。

 そこで情報を扱うような仕事をやりたいなと思いました。NBC にそのまま就職できるなら、そのまま社員になりたかったですね。いまだに映像の情報伝達力や量、影響力にはすごく関心があります。その後、ジャンルは違いますがMTVの仕事をやらせてもらったときにも、映像の持っている魅力を感じました。

 なかでもリクルートに興味を持ったのは、当時「情報が人間を熱くする」というテレビコマーシャルをやっていたんです。これにけっこう感銘を受けて、リクルートの情報誌のビジネスに興味を持ったというわけです。

(【続き】“外資を知る男”ツイッター社長への疑問「リクルートではやっぱりエリート社員でしたか?」 を読む)

構成=竹村俊助 @tshun423
写真=杉山秀樹/文藝春秋