リーグトップの得点力 キーマン・小深田とは?

 開幕からパ・リーグ首位を走っていた東北楽天ゴールデンイーグルス。

 福岡ソフトバンクホークスにその座を明け渡してしまったものの、現在パ・リーグ2位、首位とは2ゲーム差の位置取りとしては最高の場所にいる。

 その原動力となっているのが、攻撃力。38試合で216得点は、ダントツのリーグトップ。ちなみに得点だけで言えば2番目に多いのがホークスの171得点なので今年の攻撃力が突出しているのが窺える。

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 そんな中、ひときわ輝きを放ちはじめたのが一番セカンド小深田大翔。

小深田大翔 ©時事通信社

 7月なかばには2割に満たなかった打率も8月2日現在で2割4分6厘まで上げてきている。選球眼もよく、盗塁もチームトップの6盗塁と一番バッターとして素晴らしい活躍だ。

 そして彼にはホームに帰ってくるセンスがあるように思う。実際調べると鈴木大地の30得点、浅村栄斗の26得点、ブラッシュ、茂木栄五郎の25得点に次ぐ19得点。代走起用もあるとはいえレギュラー陣の半分にも満たない打数(69打数)でこの数字は、アッパレです。

 茂木栄五郎が最高のリードオフマンだと信じていた僕に、これでもかと言うくらいのプレゼン力。という事で今回は彼の凄さをもっと知るために、一番よく知ると言っても過言ではない大阪ガスの投手陣にお話を聞いてみた。

内角打ちの名手・あだ名は小深田先生

大阪ガス投手陣。左から温水、阪本、猿渡、飯塚の各投手

「対戦したバッターの中でインコース打ちは一番上手いですね」と語ってくれたのは、辛島航の飯塚高校の後輩にもあたる猿渡眞之投手。猿渡投手が言うように、今シーズン確かに、軸をしっかりコマのように回し、クルッと強いライナーで一塁線を破って行くのを何度もみている。

「インコースを簡単にヒットにするので、もう小深田先生と呼ばれてましたよ」

 と、2019年日本選手権MVPに輝いた阪本大樹投手も同様に、小深田選手の内角打ちについてベタ褒めだ。阪本投手は続ける。

「(小深田の)俊足は皆知ってるとおもいますが、守備の時のスピード感にも注目してほしいです。抜けたと思ったアタリをいきなり現れ確実にアウトにしてくれる。ほんまに凄い奴です」

 高校時代は阪神タイガースの坂本誠志郎とバッテリーを組んでいた飯塚孝史投手も小深田選手の守備についてこのように語ってくれた。

「とにかく堅実なのでショートにとべば安心、凄いプレーというよりは、とにかく堅実、だからすごく信頼してました」

 そして、その堅実なプレーの陰には努力があると答えてくれたのは大阪ガスのエースナンバー背番号18・温水賀一投手だ。

「何事にも黙々と自分のやるべき事に取り組む姿勢は凄いです。自主練で一人ノックを受けたり、壁あてをひたすらしたり、冬のランニングでも長距離も短距離も常に上位でしたね」