文春オンライン

“Wシンタロウ”でのお立ち台が夢だった……元阪神・横田慎太郎が語る藤浪晋太郎の“凄み”

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/08/25
note

とんでもなかった外野からの送球

 一番印象に残っている出来事は2年前に鳴尾浜で一緒に外野ノックを受けたことがあったんです。藤浪さんは調子が悪くて、外野から本塁への遠投でフォームとかをチェックしていたんだと思いますが、その送球がとんでもなくて……。一流の外野手が投げるような本当にすごい球を投げていて。目の前で「えげつな……」ってつぶやいてしまいました。江越さんとかも肩強いなと思って見ていたんですけど、次元が違いましたね。それでも、藤浪さんは首を振って納得いっていない様子だったんですけど、こちらが首を振りたくなるぐらいのボールでした。足もめちゃくちゃ速いんです。特に短距離。ストライドも広くて、僕より全然速いですからね。ピッチャーの中でも断トツ一番じゃないですかね。

 藤浪さんと同じユニホームを着れて、学んだことは少なくありません。あれぐらいのスター選手でも、これだけ悩んで、苦しんで。でも、藤浪さんは踏ん張って、絶対にまた勝つんだという気持ちを持って2軍でもずっと練習していました。僕はそれを見てきました。この状況を変えてやるという気持ちが周囲にも伝わってきました。ああいう時間に耐えてきたからこそ、また勝てたと思いますし、素晴らしいです。

 同じ“シンタロウ”という名前で、僕はすごく嬉しかったんです。密かに、いつか甲子園で藤浪さんが投げて、僕が打って、一緒にお立ち台に上がれたら良いなと結構、本気で思ってました。それはもう叶わないですが、これからは1軍のマウンドで投げる藤浪さんを1人のファンとして応援していきます。またいつか、甲子園のスタンドから見てみたいですね。

ADVERTISEMENT

©スポーツニッポン

構成/チャリコ遠藤

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2020」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/39284 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

“Wシンタロウ”でのお立ち台が夢だった……元阪神・横田慎太郎が語る藤浪晋太郎の“凄み”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!

文春野球コラム

阪神タイガースの記事一覧