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「カートゥッ!」インパクト大の歌詞に女性ファン熱狂 売れるガールズグループ、日韓の違い

BLACKPINK、MAMAMOO……「ガールクラッシュ」化が止まらない

2020/07/27
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「清純」or「セクシー」の時代に革命を起こしたグループ

 2010年代前半までの韓国のガールズグループは「清純」or「セクシー」に二分されていた。ピュアな可愛さにしろ色気にしろ、アピールする対象は基本的に異性であり「男ウケ」を意識したコンセプトが全盛であった。女性ファンに対しても「異性にモテる=イケテル女の子」として手本になるというスタンス。

 シックな衣装を身に纏い、パワフルなダンスで“強め”に見えるグループさえも歌詞の中身は「どれだけあなた(彼)に傷つけられたか」という恨み節だったりして、今聞き返すとやや他人軸で依存的な内容が目立つ。しかし、近年は本来清純派のカワイイ路線で売り出していたグループも、曲のコンセプトとして「ガールクラッシュ」という概念を取り入れはじめ、“ファッション”として使うというパターンも見受けられるようになっている。

「ガールクラッシュ」を貫き、最初に広めたグループがBIGBANGの妹分・2NE1だ。彼女達が歌っていたのは主に“自立”と“女性の権利拡大”。「世界中すべての女子をクラッシュ、ドキドキさせるこのrush」といった歌詞からもわかるように、力強いラップとボーカル、個性的なファッション、媚びないスタイルで一気に女性ファンの心を掴んだ。

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2NE1 ©getty

 彼女らが活躍した時期が韓国で性差別問題がどんどん明るみに出たタイミングと重なったことも大きい。今は解散してしまった2NE1だが、彼女達が確立したスタイルは直系の後輩・BLACKPINKがしっかりと受け継ぎ、進化させている。

 そして現在『Nizi Project』からデビューしたことで話題のNiziUの先輩にあたるmissA(現在は解散)もガールクラッシュ のはしりと言えるだろう。2012年に発売した「I don't need a man」はタイトル通り「私たちは彼氏ナシでも楽しく生きられる」という内容で、これまで「あなたなしでは生きられない」と歌ってきたガールズK-POPの中で新しい風を感じさせるものだった。なおmissAの色を感じさせる後輩として、ITZYが2019年にJYPからデビューしている。