――ご自身はどういった経緯でVtuberになられたのですか。
DWU ……これ言っていいんですか? もともと私はDWUとは別のVTuberの演者を募集するオーディションを受けました。そのVTuberは今も大活躍中です。それに落ちたら「別のプロジェクトがあるのでそちらでやらないか」と言われ、DWUになりました。
厳しいVtuberの世界で人気が出やすいのは「ハコ推し」
――顔出しのアイドル声優よりもVTuberの演者を目指す声優が増えてきた、といった志望の変化は感じますか。
DWU 今も2年前も特にそういう印象はないですね。さっきも言ったように声優の仕事よりも報酬が落ちるし、そもそもVTuber自体が厳しいYouTubeの世界で生き残れていませんから。
――その中でも人気があるのはどんなVTuberですか。
DWU デビューしたてでチャンネル登録者が10万人を超えているのは「ホロライブ」や「にじさんじ」のようなブランド力のあるグループに属するVTuberが殆どです。いわゆる「ハコ推し」ですね。
――「ハコ推し」というのは、ファンが特定のメンバーだけでなくグループ全体を応援することですね。新人がその恩恵無しで注目を集めるのは難しい、と。
DWU ええ。数千、数万といるVTuberのなかでは目立つことすら難しいですね。面白い新人がハコの外でデビューしても、ファンの側にそれを探す気力が残ってないんでしょう。
大手事務所がVtuberの仕事を嫌がる理由
――声優業界の方々が表立ってVTuber界隈へ言及しないのは何故でしょうか。
DWU 言及するメリットがないし、そこまで興味を持たれてないですね。音声作品と同じく「新たな展開の模索の1つ」の域を出ていません。
むしろ大手声優事務所はいまはVTuberに対しては引き気味ですね。私のような個人がかろうじて食べていける金額にはなっても、事務所が儲かるほどにはならないのが最大の理由でしょう。
また、「VTuber活動は声優の範疇を超える」と嫌う事務所もあると聞きます。
――それはなぜですか。
DWU モーションアクターなど、声優の仕事ではない業務を含むからです。それに、ろくにキャリアのない新人が「台本通りにキャラクターを演じる」声優ではなく「台本なしで自分の話をする」配信者になってしまうことも嫌がられやすいですね。
……まあ、なによりもVTuberの運営側が社会人としていい加減なところばかりだったのが、嫌われている最大の理由だと思います。
――Vtuberになる前後で予想と違った事はありますか。
DWU 日々TwitterのDMで送られてくる大量の陰茎を目にすることになったのは予想外過ぎましたね。普通の声優さんだったら辞めてるところですよ。あ、私は平気ですが。