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講談もプロレスも、ジャンルを盛り上げるのは異種格闘技

伯山 柳澤さんは雑誌「Number」などからこの世界に入ってご活躍されていますが、プロレスと格闘技の違いをよく分かっていると思うんです。でも初めて触れる人には分かり辛い世界ですよね?

柳澤 まず、プロレスと格闘技をごっちゃにしているのは日本だけということです。外国ではWWEはエンターテイメントのプロレス、UFCはリアルファイトの格闘技。もうはっきり分かれている。

伯山 まさに棚橋さんがやりたいことですよね。

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柳澤 そうです。でも世界ではUFCなど総合格闘技が発展する一方です。

伯山 私もたとえば今のお笑いの漫才師、コント師やテレビで人気のところと交って、異種格闘技というか講談をテレビの「ENGEIグランドスラム」とかでやったことがあるんです。まあ本当に対決するわけじゃありませんが。こういうのもあるんだということで「おっ」と興味を引かせるみたいなものですね。

 

柳澤 でも、それはまさに違うジャンルが交わる他流試合ですよね。

伯山 UFCの最初に「柔術は強いんだ」と思わせるようなものでしょうか。私も結局ジャンルを盛り上げるには異種格闘技しかないのかなとは思いました。

柳澤 絶対そうですよ。猪木が異種格闘技を戦ったり、グレイシー柔術がUFCで優勝したように。

伯山 講談というものを広げるためには異種格闘技をどんどんやらないといけない。でも残念ながら、自分にはタレント的な能力は全然ないんですよね。

柳澤 いやいや、そんなことはないでしょう。いっそのこと伯山先生が「グレーゾーン」をネタに「笑点」に乗り込んでいったらどうですか? 

伯山 いや、私の次の世代で頑張って欲しいですね(笑)

司会:九龍ジョー 写真:今井知佑 構成:文春オンライン

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※神田伯山さんの公式YouTubeチャンネル「神田伯山ティービィー」にて、柳澤健さんとの対談動画を公開中