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山田雅人と森脇健児の『ざまぁKANKAN!』が楽しみだった理由

――憧れていたというダウンタウンとの出会いは何だったんですか?

又吉 姉と、好きだった女の子の影響ですね。姉がダウンタウンさんの大ファンだったんです。小5くらいだったかな、学校での会話の中に「ダウンタウン」とか、「松ちゃん」「浜ちゃん」というワードが入ってきたんですよね。それで僕が何か言った時に、「ダウンタウン好きなん?」って、クラスの好きやった女の子に言われたんです。それで、「姉ちゃんがずっと観てるやつや」って思って、そこから観てみようと思ったんです。

 

――周りより少し遅れてダウンタウンの笑いの世界に入ったんですね。

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又吉 そうなんです。『4時ですよ〜だ』もそれまで観ていなくて、僕はそのあとにやってた、山田雅人さんと森脇健児さんの『ざまぁKANKAN!』を楽しみに観てたほうなんです。

――その番組はどんなところが好きだったんですか?

又吉 プリンセス プリンセスの「M」っていう曲をバックに、ハガキで送られてきた失恋の思い出が紹介されるコーナーがあって、それが大好きやったんですよ。お笑いじゃなかったんですけど、泣けるわぁとか思いながら観てて(笑)。

カッコよくてモテる人の横にいてると、何もしなくてもウケる

――又吉さんは、中学時代に芸人を目指すようになったそうですが、それまでの経緯をあらためて聞かせていただけますか?

又吉 そもそものところからお話しすると、小1の思い出になるんですよ。その時、好きやった1コ上の女の子がいたんですけど、一回も喋ったことなかったんです。で、ある日「遊ぼう」っていきなり誘われたんです。それで僕の隣には、男前なノブくんという友達がいたんですけど、「何して遊ぶ?」って聞いたら、「お姫様ごっこ」って。「いいよ、どうやってやんの?」って言ったら、その子が「ノブくん王様、又吉乞食〜。ノブくん王様、又吉乞食〜」って歌い出したんです。

――ひどい(笑)。

又吉 ショックやったんですけど、怒ったりすねたりせんと、僕、乞食役やったんですよ。そしたら、すごいウケて。それで「俺は人にそうやって言われるけど、言われた時にこういう風にやれば、自分から人を笑わすことができるんだ」って知った。あと、カッコよくてモテる人の横にいてると、何もしなくてもウケるっていうシステムを覚えたんです(笑)。

――確かにシステムですね。

又吉 1人目の相方(原偉大)も、2人目の相方(綾部祐二)も、めちゃめちゃ男前の、学校で一番モテるような奴でしょう。一緒に遊ぶ後輩も、いわゆるむちゃくちゃモテる奴。

――あー、確かに!

又吉 自分から笑わすタイプじゃなかったんですけど、ウケる快感っていうのを意識し始めたのは、たぶんそのあたりなんですよね。そして、小3~4ぐらいの時から新喜劇も夢中で見るようになって、小5〜6でダウンタウンさんの番組観たり、ビデオ借りて友達と観たりしてました。

 

――お父さんへの誕生日プレゼント以外に、コントを作ることってありましたか?

又吉 8ミリビデオ使って遊んだりしましたね。友達の家に誕生日で行くと「これでマッタン何かやってきて」って8ミリ渡されるんです。それでそいつの3つ上の兄貴と僕らで2階に上がって、「どうする?」「じゃあ、お兄ちゃん博士やって」みたいな打ち合わせして……。で、博士が「とんでもないものを発明してしまった」と言って、カメラが僕に向いたら、フランケンみたいな感じで僕がいるみたいな(笑)。

――ちゃんとしたコントを撮ったんですね。

又吉 撮り終えたらすぐに階段降りてテレビに繋いで、みんなでワクワクしながらそれを見て。みんながウワァーって笑って、もう一回上に行ってとか。なんかそういうのが楽しかったんですね。