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「何を勝手なことを言ってるんだっ!!」27歳公務員、上司の地雷がどこに埋まってるか見当もつきません――中野信子の人生相談

あなたのお悩み、脳が解決できるかも?

2020/08/19

source : 週刊文春WOMAN 2019GW号

genre : ライフ, 人生相談, ライフスタイル, 社会

 みなさまのお悩みに、脳科学者の中野信子さんがお答えします。

中野信子さん ©文藝春秋

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Q すぐキレる上司がいるため憂鬱な毎日です――27歳・シングル・公務員からの相談

 公僕になって4年間は充実した毎日でしたが、昨春の人事異動で新しい部署に配属されてからは憂鬱な毎日に変わりました。新しい部署は40代後半の課長の下、課員は5人。この課長がすぐキレるんです。

 たとえば、「先ほど○○課の○○さんが見えました。○○の件はこのようにしたいとのことです」と報告すると、次の瞬間、「何を勝手なことを言ってるんだっ!!」とアタマのてっぺんから出しているかのような声で怒鳴り始めます。私はただ伝えているだけで、そこに私見は1ミリたりとも入っていないのに、私を怒るんです。これが日常茶飯事。どこに地雷が埋まっているのか見当もつきません。

 課長は部長に対しては低姿勢で従順です。出入の業者さんには怒鳴ります。ほかの人が怒鳴られているのを聞いているだけでも私は胃の辺りが痛くなり、毎日が憂鬱なので、何とかしなければと思っているのですが……。そもそも課長はどうしてこんなに怒鳴るんでしょうか? 私はどう対処すればいいですか?

発売中の『週刊文春WOMAN vol.6 (2020夏号) 』

A この課長がやっていることこそ「マウンティング」です。課長は自分が集団の“長”であるためには、何の問題も起こっていなくても部下を威嚇しなければならない、そうしなければ組織がまとまらないと思っているのです。

 キレるのは「オレは強いんだぞ」と威嚇するためで、ゴリラが胸を叩くドラミングという威嚇行動と同じ。この課長の振る舞いは「人間も霊長類である」ということをしみじみと思い起こさせてくれます。キレるのに理由など要らない。つまり、どこかに地雷があるわけではなく、踏んだところが地雷に変わるタイプ、というわけです。

 さて、この困った霊長類にどう対処すればいいのか。それは三十六計逃げるに如かず。私はあなたに転職することを強くお勧めします。なぜなら、私たちにとって最も大切なことは生き延びることだからです。たいていのことは、死ぬよりマシです。