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今後も陛下は、ご家族のことを考えていかれるのではないか
日本の皇室とスペインの王室は交流が深く、陛下はこれまでに6回スペインを訪問されています。陛下は同世代の国王フェリペ6世と長年親交を結ばれ、来日中の国王から「おかげさまで、日本の天皇陛下とスペイン語で会話できる機会が増えています」と感謝されたことがあります。昨年、「即位の礼」の儀式に参列したフェリペ国王、レティシア王妃と両陛下が言葉を交わされた様子からも、温かく友好的な関係を築かれているように拝察しています。
陛下がプライベートなことを話されることはありませんが、雅子さまと愛子さまを支え、お二人に対していつも心配りをなさっているとお見受けしています。日本の皇室は伝統があるところです。今後、どういう方が天皇陛下になるのか、皇位を継がれるのかという点でさまざまな議論や課題が生じるでしょうが、陛下はご家族のことを考えていかれるのではないかと思います。
陛下は英国に留学され、外国に住んだ経験のある方らしく、ご自身から積極的にお話しになります。皇太子時代には39カ国を公式訪問され、各国の王族との絆も深められてきました。陛下と同世代の場合もあれば年齢が離れている場合もあるでしょう。そういうことは関係ないように見えるほど、誰とでも分け隔てなく親しみを込めて接される方です。そして雅子さまは外交官として活躍され、国際的なバランス感覚にも長けておられます。令和の時代には、両陛下お二人だからこそできる、国際親善や交流活動をますます発展させられるのではないかと期待しています。
写真=末永裕樹/文藝春秋