セロイの髪型の“実験台”になったのは……
——ドラマの製作前には、どんなことに重点を置いて準備しましたか?
「飲食業界の“ダビデとゴリアテの戦い”ですから、ポチャ(屋台をコンセプトにした韓国式飲み屋)だけでなく、フランチャイズ業界全般に対する取材も行いました。業界のほとんどの社長たちは、『タンバムのような小さな屋台店がフランチャイズに勝つことは現実的に不可能な話だ』と言いますね(笑)。厨房の料理人マ・ヒョニ役を演じるイ・ジュヨンには、(ドラマ中で出演する料理対決番組)『最強ポチャ』のエピソードのために、料理の練習をしてもらいました。
演出ポイントは、原作のキャラクターをドラマで具体的な形にすることです。各キャラクターの実写化については、議論を積み重ねました。俳優側のスタイリストとドラマチームの衣装スタッフが集まって、原作のキャラクターのスタイルをいかに具現化するかについて、何度も会議をしました。
たとえば、パク・ソジュンさんのスタイリストとドラマスタッフは、セロイのトレードマークである、あのヘアスタイルについて話し合いました。セロイのヘアスタイルはキャラクターを現わす上で欠かせないものですが、パク・ソジュンさんに似合うかどうかが悩みどころでした。一度髪を切ってしまうと元には戻らないので、『少しだけテストカットをしてみてはどうか』という意見が出ました。
ところが、テスト撮影の時からパク・ソジュンさんがすでに完璧な“セロイカット”をしてやってきました。びっくりしてよく見たら、パク・ソジュンさんのマネージャー2人も同じくセロイ・カットをしていました。パク・ソジュンさんのために、見本として実験を申し出たそうです(笑)。
キム・ダミさんは原作では金髪ですが、金髪よりはツートンオンブレが似合いそうだと本人がオファーしてくれたので、ドラマでのスタイルが完成しました。
青春モノは、(若い俳優たちの)バイタリティがなにより肝心なので、芝居のアンサンブルのため、俳優たちは頻繁に集まって、台本の読み合わせなどの稽古を重ねながら親しくなっていきました」