昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

不意打ちだった「東京除外」の政府発表

 小林氏がこう強く懸念を表明するのは、7月16日に行われた第2回の分科会での出来事が影響している。この日の分科会では22日から開始予定だった「Go To トラベルキャンペーン」について、「東京発着のケースは除外する」ということに決まったのだが……。

小林慶一郎氏

舘田 たしかに。あの時(16日の分科会)の進め方はよくなかった。

小林 分科会が始まる1時間前に西村経済再生担当大臣が突然、「東京発着のケースは除外」を検討していると発表したので、みんなびっくりした。西村さんはその場で、この後の分科会で議論して正式に判断する予定だと言うんだけれど、私たち委員に事前の情報は一切なかったので、我々はニュースやネットで初めて知ったんですよ。「東京除外」について問題点はどこか、調べる時間なんてありませんでした。

舘田 まさに寝耳に水でした。

小林 分科会で反対意見はありますかと問われても、準備不足で答えようがない。今さら聞かれてもというのが正直な感想でした。

「ああいうやり方は良くない」

舘田 私もそれは同感。「Go To トラベル」の前倒し実施の話は数日前から出ていたでしょう。経済対策として政府がやりたいのはわかるんだけど、私はもう少し待った方がいいと思った。だからあの日、何の条件も付けずにやるというなら、反対しようと思っていたんです。

舘田一博氏

小林 それは感染症拡大防止の観点から?

舘田 そうです。ところが、経緯はどうあれ、政府の方から一歩引いたわけです。もちろん「東京除外」だけでなく、1都3県がいいのか、あるいは大阪を含んだ方がいいのか、など議論の余地はありますよ。しかし、まず向こうから譲歩してきたから、私たちとしては受け入れざるを得ない。東京だけか、1都3県かという問題に正しい答えなんてないですからね。

小林 そうでしたか。政府も試行錯誤だと思いますが、ああいうやり方は良くない。あれでは政策提言どころではないですから。