コロナ禍で気づいたのは、より心地よい空間に住みたいという欲求。

 整理され掃除がいきとどいた部屋、クリーンな空気、目に優しい照明……さらに花があれば、自然が息づく潤いある空間に。

 花とともに暮らすハウツーをフラワーデザイナーの佐藤俊輔さんに教えていただきました。5回にわたって特集、今回は4回目です!

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» 「センス良くて長持ちさせる花の飾り方」篇
» 「フレッシュな花の買い方」篇
» 「いい花屋さんの見分け方」篇
» 「花束をオーダーするコツ」篇


教えてくれるのは、フラワーデザイナーの佐藤俊輔さん。

花屋さんに 美しい花束を作ってもらうコツ

 前回は「いい花屋さんの見分け方」についてお伝えしましたが、お気に入りの花屋さんは見つかりましたでしょうか?

 今回は、花束のオーダーの仕方についてレッスンします。

 みなさんは花束をオーダーする際、どのような情報を伝えているでしょうか? よくある例を挙げていきます。

1. 用途 母の日、誕生日、開店祝い、お悔み、お供えなど
2. 色合い ピンク系、黄色系、パステル、原色など
3. イメージ  華やか、爽やか、可愛い、シックなど
4. ボリューム  大きく、コンパクトなど
5. 予算
6. 相手の情報  渡す相手の性別、年齢、依頼主との間柄、好きな花など
7. いつ花束を贈るのか

 オーダーする側が伝えたい情報は、このようにかなりたくさんあります。ではこのなかで、オーダーされる側の花屋さんが一番知りたい情報はなんだと思いますか?

 実は、花屋さんが知りたい情報は、7の「いつ花束を贈るのか」です。

「デートの直前に花屋さんに寄って花束をオーダー」「仕事のお昼休みに花屋さんに行き、送別会用の花束を買って、その日の夜に渡す」「母の日の前日、仕事帰りに花屋さんで花束を買い、翌日の母の日に渡す」など、買ってすぐ渡すのか、その日の夜に渡すのか、次の日に渡すのか、「花束を贈る」までの時間は人によってさまざま。

 花にはそれぞれ綺麗に咲く時間があり、花屋さんはそれを熟知しているので、「いつ花束を贈るのか」を知ることができれば、その時に一番綺麗に咲く花をセレクトして花束を作ることができるんです。

 花束をすぐに渡す場合は、今まさに花が開き、綺麗に咲いている状態の花をセレクトし、自分用のもので、自宅で長く楽しみたい人には、つぼみを多めにセレクトする、といったように。

つぼみが多ければ、それだけ長く花束を楽しめる。

 極端な話をすれば、「いつ花束を贈るのか」さえ伝えれば、ほかの情報は必要ありません。

 「女性だからピンク?」「お葬式だから菊?」「70歳だから紫?」「バラ好きな人だからバラ?」「2,000円、2,200円?」……1~6のどの情報にも不確定な要素があるなかで、7の「いつ花束を贈るのか」といった時間は確実で、渡すタイミングに合わせて作った花束には、間違いがありません。

コツさえつかめば、簡単に美しい花束が手に入る!

 花束を買うということは、ケーキを買うことと一緒です。作り立てのケーキを持ち帰り、すぐ食べるのが一番おいしいのと同じで、基本的にはその日のうちに花束を渡すのがベストです。

 花束をすぐに渡せないときは、ケーキに保冷剤を入れてもらって持ち帰るのと同様、花屋さんにいつ花束を渡すのかを伝え、必ず対策をとってもらってください。

 花屋さんは、花が一番美しい時間と、枯れてしまう時間を知っていますので、状況に応じて最適な花を見繕ってくれるはずです。

 ちなみに、オーダーで作ってもらう花束は、1つ1つ自分でセレクトするよりも多く花が入っている傾向があるのをご存じですか?

 例えば花屋さんが2,000円の花束をオーダーされても、花の値段には幅があるので、2,000円分ぴったりの値段の花を入れるのはほぼ不可能。

 そのとき、1,980円分で納得いかない花束を作るよりも多少値段をオーバーして2,080円分で、納得いくデザインの花束を持ち帰ってもらいたいと思っている場合がほとんどなので、予算以上の花を持ち帰ることができるんです。

 花束オーダーのコツと一緒に、こちらも覚えておいてくださいね。