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世の中と対立している感性があってこそ

 小説やマンガ、アニメ、ゲームの世界など、締め切りがあり、そこに向けてクオリティを高めていかなければならない仕事や、組織だって連携しながら物事を詰めて制作する現場などでは必ずと言っていいほど「制作に携わる生身の人間の問題」にぶち当たることが数多くあります。

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 小説家であれマンガ家であれ、平穏で無難な性格の人よりは、どこか性格に難があり、あるいは異常に特定方面のことに詳しかったり、欲深かったりして、世の中に何か「引っかかり」がある、それどころか、世の中と対立している感性の持ち主でない限り、なかなか世に問える「作品」にまで昇華させられないものなんだと思うんですよ。

ナイスガイの向こう側に

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 知る限り、今回問題を起こしてしまった松木達哉さんは、物腰柔らかく、穏やかな対人関係を築いていました。知人友人で、彼のことを積極的にアカン奴だという人はいません。むしろナイスガイであって、悪い印象を持つ人は少なかったんじゃないでしょうか。丁寧な仕事をする人物であり、分からなければ周囲にアドバイスを求めたりし、高いクオリティで締め切りもきちんと守る若者でありました。その一方で、実際には物凄く孤独に敏感で、なんかこう、独特な佇まいでボソッと切れることを言う。その表面の向こう側に、秘めたる、そして煮えたぎる欲情が噴き上がる泉があり、これが対人関係や作品作りにおけるストレスに触れるたび、突飛な行動として表出してしまうのではないかと感じます。