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2020/08/22

美容室版牛丼チェーンのスタイル

 1000円カットの運営は一人当たりの単価が低いので、お客様の数を増やして売り上げることになります。10分以上の時間をお客様に費やしても、お店の利益には繋がりません。

 牛丼チェーンのスタイルが分かりやすいかもしれません。ワンコインで注文して、直ぐに牛丼が出てきて、チャチャっと食べて、お店には30分も居ない。

 一人一人の滞在時間が短く、次から次にお客様が来て、出すメニューも限定している。これは早い!安い!美味い!の美容室版であるとも言えます。

 もちろんヘアスタイルは牛丼のように画一的ではありませんが、地域や性別、年齢層によって、ある程度パターン化できるものです。

©︎iStock.com

 ですがこういったスタイルで働く美容師は、利益を得るために時間内の仕事に注力する事になりやすく、とにかく機械的にこなすやり方になりがちです。担当する美容師によっては、ホスピタリティを欠いてしまうかもしれません。

 美容師目線で言うと、時間を制限された中で仕事をするので、最大限のパフォーマンスを発揮できない場合があります。

1000円カットは技術の差を露呈する

 10分で1人のお客様を終えるのは、簡単ではありません。10分にはカウンセリング(相談)からスタイリング(仕上げ)まで含まれます。美容師的には、せかせか急いでやっとできる時間だと言えます。

 すると、担当した美容師の技術レベルには雲泥の差が出てしまいます。

 1000円カットにいる美容師・理容師は、別の店でスタイリストとしての経験がある方が勤めていることが多いです。それぞれ勤めた美容室・理容室で修行を積み「スタイリスト」になるわけですが、「スタイリスト」はお店ごとの認定であって、検定などで統一された基準はありません。仮に習ったお店の技術レベルが低ければ、覚えた技術レベルも高いとは言えません。