8月15日、日本武道館で行われた全国戦没者追悼式に天皇皇后両陛下がマスクを着用して臨席された。新型コロナウイルスの感染防止対策のため、史上初めて規模を縮小して開かれた。

全国戦没者追悼式で追悼の辞を述べた遺族代表の杉山英夫さん(左)と、天皇皇后両陛下 ©時事通信社

 陛下は昨年とほぼ同様のおことばに加えて、「私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、新たな苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」と新型コロナウイルスについて言及された。

 全国戦没者追悼式のおことばで、新しい内容を一段落分も付け加えられたのは異例のことで、私は非常に驚いた。だが、新型コロナウイルスと現在の状況について直接国民に語りかけられたことで、陛下の思いの強さを感じた人も多かったのではないだろうか。

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雅子さまは細部にこだわりが感じられる装い

 雅子さまは昨年と同じグレーのスーツに、ブラックのパンプスをお召しだった。スカートとジャケットの丈のバランスの美しさが際立ち、やや細めのヒールのパンプスのデザインなど、細部にこだわりが感じられる装いだ。

©AFP=時事

 しばしばジャケットなどに取り入れられているチャイニーズノット(チャイナボタン)で、さりげなくご自分らしさを表現されていたと思う。

2019年、全国戦没者追悼式にご臨席。雅子さまのジャケットには「チャイナボタン」が ©JMPA

 雅子さまはお召し物を新調されるだけではなく、90年代からお召しになっているスーツも大切に愛用されているようだ。こうしたスーツは雅子さまにお似合いのIラインの縦長シルエットかつ、オーソドックスなデザインだからこそ、長く着回されているのでは、と私は考えている。

「第42回全国育樹祭」の「お手入れ行事」に臨まれる雅子さま ©JMPA

 一般的にオートクチュールの洋服の場合は、お直ししやすいように作ってあるというから、雅子さまは、お気に入りの上質なお召し物を20年以上もの間、丁寧に手入れされてお持ちになっているのではないだろうか。