時代は変わり、皇后陛下となられてから、雅子さまがリラックスした表情で人々と語り合われるお姿や、昨年の国民祭典や祝賀パレードで何度も涙を見せられたご様子に、共感を覚えた人は多かったはずだ。新型コロナウイルスの影響で、直接触れ合うことが難しい状況ではあるけれども、両陛下ならではといえる新しい形の交流や発信をぜひ拝見したいと思っている。
愛子さまのカイコ愛「虫や小動物が大変お好き」
今春に学習院大学文学部日本語日本文学科へ進学された愛子さまは、オンライン形式の授業を受けられてきた。6月には、愛子さまが10年蚕(かいこ)を飼育されていることが大きな話題を呼んだ。
「愛子さまはお小さい頃から、チョウチョやカブトムシなど、指導を受けられながら飼育されていました。虫や小動物が大変お好き」(前出・宮内庁関係者)というだけあって、自ら撮影されたという蚕の写真が公開され、小さな蚕が桑の葉を食みながら徐々に丸く大きくなっていく成長過程が記録されている。愛子さまは、蚕に病気が流行するのを避けるため、2チームに分けるという徹底した飼育ぶりを見せられたという。
ご養蚕は明治以降、歴代の皇后に継承されてきた伝統行事で、雅子さまも今年から、皇居の紅葉山御養蚕所に足を運ばれていた。
愛子さまと同じ学科で国文学を学ばれた紀宮さま(現・黒田清子さん)は和歌の研究をなさり、天皇や上皇の勅宣によって編纂された勅撰和歌集である「古今集」から「新古今集」までの8つの和歌集におさめられた「四季の歌」を分類研究した卒業論文を提出されている(「八代集四季の歌における感覚表現」)。
蚕の飼育や学業などを通じて、愛子さまもご自身のルーツを探究されることになるのかもしれない。両陛下は、あと2年で成年皇族となられる愛子さまに、伝統を学ぶ姿勢と新しい世代の感性を期待されていらっしゃるのではないだろうか。