日韓共同のオーディション番組から誕生した日本人9人組グループ「NiziU」の快進撃が続いている。彼女たちをK-POPの本場・韓国の人々はどう見ているのか。韓国で大衆文化を研究する評論家、キム・ホンシク氏が「文春オンライン」に寄稿した。
◆
ガールズグループの“名門”として知られる韓国の芸能プロダクション・JYPエンターテインメント。彼らが生み出した「ガールズグループ現地化戦略」の“完成形”が、NiziUです。
NiziUはK-POP界でどのように位置付けられているのでしょうか。さらには、彼女たちは今後本当に活躍できるのでしょうか? 韓国人の視点から考えていきたいと思います。
NiziUは、K-POPの進化形
まず、NiziUというグループは、K-POPの中で、どのように位置づけられる存在なのでしょうか。
NiziUを生み出した「JYPエンターテインメント」をガールズグループの名門と呼ばれるまでに押し上げたのが、「ワンダーガールズ」。2007年のデビュー以来、立て続けにヒット曲を生み出し、一気にスターとなりました。2009年10月には「ノーボディ」が、米ビルボードの「ホット100」にランクインする快挙を成し遂げました。
そのワンダーガールズの経験とノウハウを活かした進化形グループが、2015年にデビューした「TWICE」でした。
ただ、ワンダーガールズとTWICEには大きな違いがありました。それはメンバー構成です。ワンダーガールズのメンバーはソンミ、ソヒ、イェウン、ヒョナ、ソネとみな韓国人。一方、JYPが海外進出のためのガールズグループとして企画したTWICEでは、海外での影響力をさらに高めるため、日本国籍の平井もも、湊崎紗夏、名井南、さらには台湾出身のツウィもメンバーとなりました。
そして、TWICEの次の段階として企画されたのが、メンバー全員を韓国国外から選ぶ「現地化戦略」をとることになった「Nizi Project」(ソニーミュージックとの共同企画)なのです。