文春オンライン

連載DMM亀山会長に聞いてみた。

DMM亀山会長「簡単に30万円? “給付金詐欺キャンペーン”にはGo Toしちゃダメよ」

DMM亀山会長「簡単に30万円? “給付金詐欺キャンペーン”にはGo Toしちゃダメよ」

かめっち会長の相談室

2020/08/25
note

Q 簡単な手続きで30万円が受け取れる。リスクはないのでしょうか?

 友人から「コンサルティング会社に頼んで持続化給付金の申請をすれば、コンサル料を引いても手取りで30万円受け取れる」といったメッセージがきました。実際に友人は受け取ったそうで、プロの税理士の先生もついているから安心だということです。簡単な手続きで大金が手に入るのが少し心配なのですが、リスクはないのでしょうか?

(20歳・男性・大学生)

A 不正が発覚したときに、真っ先に逮捕されるのは君だ。

 いろいろ調べてみたけど、たぶんそれは今、SNS上で急速に広がっている「個人事業主向け持続化給付金制度」を利用した詐欺だね。すぐに捕まっちゃうから、絶対にやめたほうがいいよ。

ADVERTISEMENT

「持続化給付金」ってのは、コロナ禍で事業収入の減った人を助けるためにできたもので、学生の君が事業も確定申告もやっていないのなら、まったく関係ないものよ。

 これは、フリーランスや個人事業主に対して、「昨年より下がった売上を最大100万円まで支給してくれる」という制度なんだけど、この「利益」でなく「売上」が補填されるという仕組みを悪用する、悪い奴らが最近増えているみたいなんだ。

 手口は、たぶんこんな感じだと思う。まずABCの3人でチームを組む。そして昨年の日付にさかのぼってAがBに100万円の売上があったことにする。同じようにBがCに、CがAに架空の売上をつくる。そして、「提出が遅くなりましたが、昨年こんな取引がありましたよ」と税務署にウソの確定申告をする。

 Aの収支申告は、Cに売上100万円、Bに経費100万円ができるから、差し引き利益は0円。だから、申告したとしても全く納税をする必要がない。

 

 そして、昨年度のウソの確定申告書と一緒に、今年はコロナのせいで昨年あった100万円の売上がなくなりましたと申請すれば、3人がそれぞれ100万円の給付金を騙し取れるという寸法だ。

 さらにその成功に味をしめた悪党たちは、この仕組を一般人にコンサルティングすることにしたみたいだ。リスクは告げずに、「言われたとおり簡単な書類を出すだけで、口座にお金が振り込まれる」と参加者の募集を始めた。