アメリカ大統領のトランプさんが中国に対して本格的な攻勢を仕掛けているということで、もはやアメリカ対中国の新たな冷戦が始まりそうだとみんな身構えておるわけですよ。
もっとも、拳を振り上げているのはトランプさんだけではなく、一昨年すげえ反中演説をぶっ放した副大統領ペンスさんや、国務長官のポンペオさんもマジ切れ状態の会見をしておりますので、トランプ政権が目立つところで頑張っている。しかし、実際には大統領府や共和党が対中国で決起しているというよりも、アメリカの議会全体が中国ふざけるなというモードになって、11月3日の大統領選挙でトランプさんが再任されても、対抗馬の民主党バイデンさんが勝っても、どちらにせよアメリカは中国との対立を深めていくであろうことは間違いありません。
中国 米の「TikTok」対応に反発 “市場経済の原則に違反” | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200803/k10012548891000.html
一方、中国側も一連のアメリカの制裁には強い反発をしておりまして、逐一反論するだけでなく、言わんでもいいことまで対外的に言って、冷戦突入モードであることを隠しません。もちろん、米中対立と一口に言っても一部の貿易交渉については成立に向けて大詰めになっていることを考えると、アメリカも中国も是々非々で議論をしているところではあり、バランスを見てこれらのニュースを見たほうがいいのかなとは思います。
劇的に悪化する対中感情
そんな中、我が国においては我らが総理大臣・安倍晋三さんの健康問題が取りざたされ、コロナ対策や経済問題など国難級の政策課題が満載のところで実質的に官房長官の菅義偉さんが影で政権を仕切る「笑ってはいけないガースー黒光り内閣」になりつつあります。官邸内での権力争いが激しくなっているうちに、どうも今日(8月28日)になんでも安倍ちゃんの記者会見があるそうで、ここで「すわ、総理辞任か」「ガースーに禅譲か」みたいな色めき立ち方をしてしまうのが、官邸というコップの中の嵐で負け戦中の大本営もかくやという状況になるのであります。
で、日本ではアメリカべったりでいいのか、最大の貿易相手国であり非常に重要な互恵関係にある中国との関係も改善するべきだという意見が、主に経済界のほうから湧き起っています。一方、直接中国との関係で恩恵を被らない一般国民のほうでは、対中感情の劇的な悪化とともに中国との対決モードをしきりに主張する「有識者」「言論人」「ジャーナリスト」が跋扈し、またそれが一定の支持を集めていることもあって、一時期の嫌韓ブームのような反韓国言論を上書きする形で対中国強硬論が出てきています。一般の人が中国嫌いをこじらせるのは仕方のないことですが、嫌いだからと言って中国と断交しろと言ってみたり、悪しざまに中国を罵ったところで事態は一ミリも改善しません。
ここで気を付けるべきなのは、「中国政府・中国共産党」と「中国人」は違うということと、一口に「中国」と言っても13億人もいて超広いので、ひとからげに「中国けしからん」と言っても「どの中国か」「中国のどの組織・都市・人物か」によって言うべきことも違ってくるぞということであります。