「国会で叩かれれば、誰だってストレスがたまる」
《国家の舵取りを担う首相という職業は因果な商売で、褒められることは滅多にない。「桜を見る会」をめぐる今となっては、どうでもいいようなスキャンダルでも新聞やテレビで連日とりあげられ、国会で叩かれれば、誰だってストレスがたまる》(産経新聞、8月29日)
俺たちの安倍首相にストレスを与えて何てことをしてくれたんだという産経の怒りが見える。しかし読売のダメ出しを読んだ後では桜やモリカケへの対応こそちゃんとしておけば展開は違ったかも……と思う。
私はコロナが世界に拡大する前に、
《もし「小さなこと」の桜すら説明しないなら、今回の中国と同じような「大きなこと」が今後起きたときも「ちゃんと説明されないのでは?」と不安に感じてしまう。》(1月31日)
と書いた。残念ながらその悪癖はコロナで拡大し可視化されてしまった。
新型コロナウイルス騒ぎが見方を変えた
桜やモリカケは遠いと思っていた人もコロナは身近なので政治に注目した。コロナ禍の国会で検察庁法改正案の審議が進められることに批判が集まったのは象徴的だった。
最初に「#検察庁法改正案に抗議します」とツイートした女性はもともと政権に強い不満があったわけではないが、新型コロナウイルス騒ぎが見方を変えたという。
「みんなが困っているのに対応できていない。そういう政府の思うままになったら危ないと思った」(朝日新聞デジタル5月10日)
こんなこともあった。
「<新型コロナ>首相会見なし 『森友』追及避ける思惑か」(東京新聞3月21日)
3月末の3連休で人出が多くなりそうだったこの週、首相は国民に直接呼びかける会見をしなかった。その理由が、
《再浮上した学校法人「森友学園」問題への追及を避ける思惑があったとみられる。》