月曜の朝刊は「菅氏 総裁選出馬へ」と朝日も産経も毎日も読売も一面で伝えた。
菅義偉氏の出馬を意外に思う人もいるかもしれないが、常々、次の首相を狙っていると“公言”していた。
菅氏が「その指摘は当たらない」と言うときは大体当たっているように見える。つまり総裁選立候補について「全く考えていない」と否定するほど「四六時中考えています」と告白しているようにしか見えなかったのである。菅さんはわかる人にはわかるサインを送っていたのだ。
しかもここ数日での決断ではない。菅氏出馬の一報が出た日の読売にこんな記事があった。
《「次の首相はどうか。やるなら応援するよ」自民党の二階幹事長は6、7月と2か月連続で行った菅氏との会食で、こう水を向けた。いずれでも菅氏は「ありがとうございます」と応じ、二階氏の申し出を拒否しなかった。》
この記事のタイトルは「総裁選、『安倍後継』菅氏に焦点」(8月30日)。
菅氏へのお膳立ては整っていたことがわかる。ずっと記事を追っていれば匂いに気づく。それなのに岸田派内では「菅氏の動きは意外だった」との声が漏れたという(毎日新聞8月31日)。
どこまでのんきなんだ。