「安倍首相」から「菅首相」が出てくる「マトリョーシカ」
では、早くから会食で密談をしていた菅&二階の狙いとは何か。それは安倍1強の枠組みを続けることだろう。しかしそれは危険もはらむ。
コロナ対応の政策継承という大義を掲げるのであろうが、一方でコロナ禍でも露呈した安倍政権のマイナス面をそのままパワーアップして引き継ぐ可能性もあるからだ。
例えば菅官房長官のGo Toキャンペーンのゴリ押しや、記者会見で都合の悪い質問が出ると冷たく対応する様子を見ていると、菅政権が誕生したら「安倍1強」がむしろコアな形となって続くとしか思えない。
ロシアの民芸品のマトリョーシカで言うなら、「安倍首相」から「菅首相」が出てくるだけなのではないか? いよいよ姿を見せた菅マトリョーシカは、安倍マトリョーシカのまずい部分をさらに煮詰めただけの予感もする。
それが杞憂と言うなら、不透明さや情報公開に関して疑念を持たれないよう取り組むべきだ。しかし今報道されている次の総裁の決め方の手続きを見ているとあらためてザワザワ感しかない。
「石破茂封じ」のための「党員投票なし」の方針
「二階幹事長、『党員投票なし』の方針を強調 自民総裁選」(朝日新聞デジタル8月31日)
二階氏は「政治の空白をもたらしてはならないという広く多くの国民からの要望、命令が当然ある。それを受けて、政治判断をしていきたい」と語った。
マズいなぁ、マズい。党員投票をしないということは支持の高い「石破茂封じ」という見立てがすでに各所で出ている。そこをさらに強調してしまった二階氏。
私がマズいなぁと書いたのは菅氏がとても心配になったからである。
自民党の歴史を振り返ってみよう。このままだと菅氏がマズいことになってしまう可能性がある2つの騒動を紹介する。