最新研究で睡眠と認知症が深く関係していることが分かった。そのメカニズムを知るとともに、良質な睡眠をとるための方策を徹底解説する。

「週刊文春 認知症全部わかる! 最新予防から発症後の対応まで」(文春ムック)

最新研究で「睡眠不足はリスク増」が判明

 徹夜をしたり夜更かしを続けると、脳に老廃物が溜まり、認知症のリスクが高まる――そんな研究結果が明らかになった。なぜ、認知症と睡眠が密接に関係しているのだろうか。そのメカニズムを徹底取材した。

 厚労省「平成29年国民健康・栄養調査」によれば、睡眠時間が6時間を下回る国民は、実に全体の39.2%に及ぶという。テレビの深夜番組やスマホに夢中になって、つい夜更かしをしてしまう人は多いだろう。「溜まった仕事を一気に片付ける!」と意気込んで徹夜をしてしまい、翌日、眠気に襲われ、体がだるくなるケースも珍しくない。

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 だが、“徹夜の怖さ”はそれだけではないという。

「睡眠不足が肥満や高血圧などのリスクを高めることはこれまで指摘されてきましたが、最新の研究で、徹夜を続けることが、認知症の発症リスクも引き上げることが分かりました」

 そう語るのは、東京医科歯科大学特任教授で、メモリークリニックお茶の水院長の朝田隆氏だ。