コロナ経済危機の中、ナスダック総合指数は9月2日に過去最高値の12,056.44ポイントをつけました。米国ハイテク株高を支えているのがロビンフッド族と言われる若い初心者の個人投資家達です。彼らは4月に振り込まれた1200ドルの給付金等を元手にして米IT企業株に投資をして一発逆転を目指しています。日欧米で企業や家計が持つマネー量(現金、預金)が膨張しており、一部が株式市場に流入し、相場の乱高下をもたらしています。

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 彼らが投資ツールとして活用をしているのが「ロビンフッド」と呼ばれるスマホ・アプリです。ワンクリックでトレーディングができ、ゲームのような映像が流れます。私が見た米国人のYouTubeでは、友達を紹介するともらえるスクラッチで、5ドル分の株式(単元未満株)が当たり、紙吹雪が舞い散っていました。また、他のユーザーと共同購入ができるので少ない元手で投資ができることも、初心者をひきつける魅力の一つです。

 アプリを提供している米ロビンフッド・ファイナンシャルは米国シリコンバレーに本拠地を置く、未上場のスマホ専業の証券会社です。スタンフォード大学の卒業生2人が2013年に創設しました。

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 その背景には、2011年の「ウォール街を占拠せよ」運動があります。米国では上位1%が富の大半を独占しており、この問題に有効な解決策を見出せないでいる米政府に失望する庶民の代表がウォール街でデモ行進や座り込みを繰り広げました。