ではあらためて菅首相の国家観、ビジョンが無いことに話を戻す。記事を読んでいて「あっ……」と声を上げそうな部分があった。
菅首相の沖縄に対する態度
「首相の言葉 国を左右」(東京新聞9月17日)という特集記事。
過去の菅氏の言葉を振り返っているのだが「沖縄」に関して驚くことを言っていた。2015年9月に沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題を巡り、県と政府の集中審議が決裂。
《知事だった翁長雄志氏が沖縄の歴史に触れつつ、基地問題も担当していた官房長官の菅氏に迫った。》
すると菅氏は、
「戦後生まれなので沖縄の歴史はなかなか分からない」
と言ったという。
私は常々、菅氏は元官房長官の故・梶山清六氏を師匠としているのに沖縄への態度の違いは何だろう? と不思議で仕方なかった。
たとえば次の記事。
《梶山は「沖縄だけが苦痛を受け犠牲を払っている現実でいいのか」などと、沖縄に寄り添う姿勢をたびたび示した。政府と衝突した知事の故・大田昌秀も、梶山については「誠心誠意、基地問題に取り組まれた」と認めていた。
梶山を直接知る衆院ベテランは「梶山さんは戦争を経験して、虐げられるものの痛みを知っていた。菅さんはとにかく頭から押さえつける。姿勢が全然違う」と評する。》(朝日9月19日)
梶山氏は戦争を知っている、菅氏は知らない。この差は仕方がない。
しかし「戦後生まれなので沖縄の歴史はなかなか分からない」と言い切ってしまう態度は国家観やビジョンが無いという以前にドン引きである。
市議からのたたき上げは美談のように言われているが、実務型すぎて何も無さそうというのはちょっと恐怖さえ感じる。
保守系の新聞はまたしても注文をつけるべきではないだろうか。
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