俳優の春名風花さんが、Twitter(以下、ツイッター)で「彼女の両親自体が失敗作」など誹謗中傷を投稿されたとして2年に渡って進んでいた裁判の結果を、自身のYouTubeチャンネル『春キャベツ王国』で報告した。

 3歳で携帯電話を使い始め、ブログを書くようになり、ツイッターを始めたのは9歳のころ。社会問題に対する自分の意見を率直にツイートすることから“SNSの申し子”と言われることもあったという。しかし今年4月に、ツイッターを卒業することを発表した。

 誹謗中傷や虚偽ツイートなどのトラブルも増え始め、「規制を強化すべき」という声も聞こえてくる。春名さんに“ツイッターの10年間はどう見ていたのか”を聞いてみた。

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(全2回の2回目/#1より続く)

 

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――そもそも春名さんがツイッターを始めたきっかけって覚えてますか?

春名 最初は、1回お蔵入りになってから放送が決まった『満福少女ドラゴネット』というドラマをどうにか多くの人に見て欲しいなと思って、主に情報発信を目的にアカウントを作りました。そこから徐々に、日常の何気ないことや気持ちなんかも呟くようになって。

――春名さんがSNSで一躍有名になったのが、2010年12月に成立した東京都の青少年育成条例・改正案についての意見でした。

春名 あれ、なんてツイートしたんでしたっけ?

――「ぼくたちはいいまんがも、悪いまんがも、ちゃんと自分で選べます(ω)」ですね。

 春名 あ、そうでした! 春名家ではニュースを見ながら、自分の意見や考えを言い合う時間があるんです。青少年育成条例の改正についても、ちょうど家族でニュースを見ていて知ったんですが、親はもちろん弟もこの問題について自分の意見を言っていて。その時に、私はすぐに自分の考えを言葉にできなかったんです。

 でも、ずっと考えているうちに、自分の思いや意見がまとまってきて、誰かに言いたい欲が出てきて。ふと、気ままに更新していたツイッターの存在が浮かんで「ここで自分の考えを言ってみたらいいんじゃないか」とツイートしてみたんです。

――反響にびっくりしたんじゃないですか?

春名 凄かったですね。思った以上に多くの方に読んでいただいてびっくりしました。自分の言葉で自分の考えをちゃんと誰かに受け止めてもらえたのが何よりも嬉しくて。母も私がなかなか思っていることを言ってないのが気になっていたみたいで、ツイートの反響を見て「ほらね、ちゃんと自分の言葉で話してみたら、反応してくれる人がいるでしょ」と言ってくれました。

 

――SNSを始められた9歳から今に至るまで、ワイドショーなどで様々な社会問題についてご自身の意見を積極的に発信される姿は変わりません。どんなご家庭で育ったんですか?

春名 ごく普通の家庭ですよ(笑)。どんな時でも子どもの意見を聞いてくれる親でした。私は勉強が苦手だったんですが、「誰にでも得手不得手があるから、やりたいことや得意なことをすればいいじゃない」と言ってくれたことも記憶になります。

 だからこそ、自分の意見を発信していくうちに増えていった誹謗中傷の中に、親に対するアンチコメントがあった時の申し訳なさはすごくあって……。