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なぜ野党議員のドキュメンタリー映画で「泣ける」という感想が多いのか

「政治ドキュメンタリー」から語る、日本の現在地 #2

note

「泣ける」「絶望的な状況の中にかすかな希望の光を見た」という感想も

大島 ありがとうございます。あそこまで細部を撮影できたのは、長い付き合いで培った信頼関係に加えて、小川さんとその家族、秘書たちがみんな無防備すぎるくらいに無防備な人たちだったというのが大きいのですけどね(笑)。小川さん自身も虚勢を張らずに、内面をそのまんまどんどん喋っちゃうし。

 

石井 選挙期間、小川さんって事務所に戻って食事をするときに必ず大島さんに「大島さん、食べた?」って最初に聞く。小さなシーン、まさに細部ですが、あれだけで人柄が伝わってくる。公開後、どんな感想が寄せられましたか。

大島 不思議と「泣ける」という感想も多いんですよ。全く予想しなかった反応なんですけど、「絶望的な状況の中にかすかな希望の光を見た」と言ってくださる方もいる。反対に「彼のように誠実な政治活動していても、うまくいかないだろう。やっぱり絶望しかないんじゃないか」と感想を持つ方もいる。僕はどちらとも正しいような気がしているんですよね。

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石井 映画を観て、政治の見方が変わったという人も多いのではないでしょうか。観る前と観た後で、自分の中で変化が起こっている。ジワジワとこみ上げてくるものがあって、多くの気づきを与えられる。そして、「小川さんは今後どうなっていくのだろう」と気にせずにはいられなくなる(笑)。「毎日、自分はどうして政治家なのか」と考えるという小川さんの未来がどのようなものになるのか。少しでも希望を持てる状況が来ればいいのですけど。

 

大島 実は僕、今も小川さんを撮影し続けているんですよ。一応、続編を考えていましてね。もしできるとしても5年後か、もっと先か。『まさか君が総理大臣になるとは』って映画が完成する日は、果たして来るのかどうか。針の穴を通すより難しいことだとは思っていますが、来るとすれば、彼に「時代の要請」があった時でしょうね。

写真=山元茂樹/文藝春秋

INFORMATION

映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」公式サイト
http://www.nazekimi.com/

9月26日(土)夜8時より、オンライン上映会開催(スペシャルトーク付き) ※10月2日(金)24時までアーアイブで視聴可能
http://www.nazekimi.com/#online

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文藝春秋

2020年5月29日 発売

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