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2020/09/29

genre : ニュース, 政治

昨年来には「ポスト安倍」を狙い阿部離れ

 実際、8月1日の毎日新聞に伊藤智永氏が書いた「もう菅政権になっている」というコラムは衝撃的だった。政府のかじを切り、旗を掲げるのは既に菅義偉官房長官であると書き、

「前面に出てきましたね」

 政府高官に水を向けたら、

「もう菅政権になってるよ」

 さらりと返されぎょっとした。

「元からだったけど、官邸の中がバラバラなんで隠さなくなった」

 著者と政府高官との会話を書いていた。菅氏を外していたと報じられていた官邸官僚らが失速している様子がわかる。代わってまたしても権力中枢に戻ってきた菅氏。

 伊藤氏の翌月のコラムは「菅さんは辞める気だった」(9月5日)。実は菅氏は6月の国会会期末にも官房長官の職を電撃辞任するつもりだったという。

《来年9月の自民党総裁選に立候補するため「安倍離れ」を始めなければならなかったからだ。》

 菅氏は昨年来、本気で「ポスト安倍」を狙い、準備していたと書く。それはニュースを追っていれば私にもわかった。元号を発表して「令和おじさん」と呼ばれ気をよくし、菅氏にしては珍しくフワフワしていた。そのあと官邸で存在感が薄くなっていた菅氏は「プレジデント」で連載を始めた。来年の総裁選に向けて露出を始めたのだろう。

「令和おじさん」で浮かれていたのも今は昔 @文藝春秋

 しかし安倍氏の健康不安と官邸官僚の失速で思わぬ早さでそのタイミングは巡ってきた。菅氏はいつのまにかシレッと「安倍継承」を訴え始めた。そして念願の首相の座にスッと就いたのである。お、恐ろしい。そして見事すぎる。

 つまり「人生相談」でのPRはもう用済みになったのだ。

 私が今回の連載終了を計画通りと言うのはそういう意味である。「菅義偉の戦略的人生相談」は本当に戦略的だった。首相就任へのGo Toキャンペーンは無事に終了したのである。

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