かつて地球上には、すべての大陸が合体してできた超大陸があったことが分かっている。それはパンゲアとかゴンドワナなどと呼ばれている。いま地球上にあるすべての大陸は、この超大陸が分裂して、現在の場所に移動してきたものと考えられている。その、元となる超大陸が花崗岩でできていたのだ。
なぜジーランディアが見つかったのか?
歴史を遡ると19世紀末頃から、ニュージーランド周辺の海底はかなり浅いことが分かっていた。その浅瀬がジーランディアと名付けられたのも、この頃だ。だが、本格的な調査が始まったのは、21世紀に入ってから。進歩した海底調査の技術を使って、ニュージーランドが周辺の「浅瀬」を調べてみたところ、なんと広範囲に渡って花崗岩でできた土地が“海の下”に広がっているとわかったのだ。
この結果は世界に衝撃を与えた。なぜなら、大陸を示す白っぽい岩石(花崗岩)でできた土地が海底に広がっている場所など、世界のどこにもないと考えられていたからだ。
先述の通り、本来海底は玄武岩などの黒っぽい岩石でできているはず。だが、花崗岩でできた“海底”が現に見つかった――。これはつまり、ジーランディアはかつて超大陸の一部だったが、分裂後、どこかのタイミングで海の底に沈んだ、ということを意味する。
現在のサイエンスでは解けない“矛盾”
しかし、そこには大きな矛盾がある。というのも、現在のサイエンスでは“大陸は沈まない”と考えられているからだ。
実は、大陸を作っている花崗岩は軽いため、そもそも沈みにくい性質を持っている。これまでも、分裂した大陸は海の底に沈むことなく、地球の表面をあちこちに移動してきたことが知られている。
だが、ジーランディアは実際に、海の底に沈んでいるのだ。一体、これをどう理解すれば良いのか――。