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謎を解く“カギ”は……
この謎に対して、科学者たちはいくつかの仮説を立てている。中でも有力視されているのは、「何らかの原因で大陸(ジーランディア)が引き延ばされ、厚さが薄くなったことで全体の標高が下がり、海面よりも低くなってしまったのではないか」という説だ。引き延ばされた原因としては、大規模な火山活動や、プレート沈み込みによる影響などが考えられている。
しかし、仮にそれが正しかったとして、なぜジーランディアだけでそんな現象が起き、他の大陸では起きていないのか、その理由はまったく分からない。
謎を解くカギはどこにあるのか。国際研究チームは現在、それはジーランディアの海底地形の“凹み”に溜まった土砂の中に眠っているのではないか、と考えている。
深い凹みの中を調べれば……
これまでの調査で、ジーランディアの表面にはかなり凸凹があることが分かってきた。この凸凹は、ジーランディアが引き延ばされるときにできた岩盤の割れ目(断層)に沿ってできたものだと考えられている。
海底では、このような地形の凹みに土砂が溜まりやすい。そこで、なかでも最も深い凹みを探して、そこに何が溜まっているのかを調べることで、いつ頃からどのように沈んでいったのか、つまり、ジーランディアがどのように引き延ばされていったのかが分かるかもしれないのだ。
もし、引き延ばされるさなかに大規模な火山活動があったとしたら、土砂のなかにも火山に由来する岩石が混じるはずだ。また、プレート運動に関連してジーランディアが引き延ばされたのなら、土砂の中にもその運動の痕跡が残っているかもしれない。
問題は、このような深い凹みの底に溜まった土砂をどうやって調べるか、である。