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自宅で発見された「骨と首から上」

「警察がやってきたときは、骨と首から上があったんです。首から上は、バラすのがめちゃくちゃ大変なんですよ。調べたら、とくに顔の上半分がとにかく骨が硬いみたいなんです。だからやる前に諦めて、首ごと捨てるつもりでした」

 そのときの状況を想像するだけで、警察官が踏み込んだ際の現場が、いかに修羅場だったかが分かる。

「すみません、あと残り5分です」

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 白石の背後にいる刑務官が残り時間を告げたことに、救われる思いがした。

白石被告 ©文藝春秋

 事件についての話はそこで切り上げ、次回の面会日についての打ち合わせをする。最近は面会希望のメディアが多いらしく、彼はやってきた複数の新聞とテレビ局の名前を挙げた。

白石被告は「連続殺人犯」を熟読

「基本的に知らない人とは会わないようにしています。だからいきなり面会にやってきても受けていません」

 そこまで話した後で白石は、そういえば、といった顔で、私が以前差し入れた拙著『連続殺人犯』(文春文庫)についての話題を切り出してきた。

「小野さんの本、熟読しましたけど、よく被害者(遺族)のところとか、会いに行けますよねえ…」

 それを君が言う? 声にならないツッコミを胸の奥にしまい込んだまま、その日の面会を終えたのだった。

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週刊実話編集部

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2020年9月24日 発売