愛が足りないとバットを抱えて寝たかわいい高校生
そんな茂木選手の高校時代のエピソードをお話しできればと思います。
高校時代は神奈川の名門・桐蔭学園で野球に明け暮れた茂木選手。
現在のイーグルスのチームメイトとの縁があり、鈴木大地選手は茂木選手の高校時代の先輩。去年までのマリーンズ戦の時は、茂木選手が大地選手に挨拶をしつつ、いじるという光景もよく見られました。また、3年時の夏の地方大会準決勝で戦った桐光学園。甲子園行きを阻んだのは桐光の1年生エース・松井裕樹選手でした。
2009年、秋の関東大会。
茂木選手は1年生ながら茨城県代表の水戸桜ノ牧戦に4番でスタメン出場。先制となる2ランホームランを放ちチームを勝利に導いていました。(※関東大会は各県の代表2校、開催地は代表3校が戦う大会)
そんな高校時代の茂木選手について、以前聞いたことがある噂の真偽をご本人に確かめてみたことがあります。
倉林「高校時代、バットと寝たと聞いたことがあるのですが、本当ですか?」
茂木選手「はい!(ニコッ)」
倉林「!!」
驚きのあまり、アナウンサーなのに返しの言葉を探すのに2秒も黙ってしまいました。
というのも、私、かれこれ10年間高校野球の取材をしていて、1000人近くの球児、監督さん、マネージャーさんそして父母会の皆さまに取材をしていますが、「バットと寝た」なんて話は聞いたことがありません。
沈黙のあと……。
倉林「寝たって、一緒にお布団に入ったってことですよね!?」
茂木選手「はい! 打てなくて、バットに愛情が足りないと思って(ニコッ)」
素振りをしたあと、バットをきれいに磨いて一緒に寝ていたそうです。
年頃の高校生の男子が(人によっては反抗期でもあるのに)、大切な道具であるバットと過ごす時間を増やす。なんてかわいいんだ…思わず「かわいい」と口から言葉がこぼれてしまった気がします。衝撃過ぎてあまり覚えていませんが。
プロに入ってからも道具を大切にしている茂木選手。
今シーズン、人生初のキャプテンとしてチームを引っ張っていこうと、例年以上に頑張っていたといいます。キャプテンマークがユニフォームについてから、これまで以上に気持ちを出そうとしているのがテレビ越しにも伝わってきました。
サヨナラ賞の受賞会見で「もっともっと印象に残るようなプレーをたくさん出来たらなと思います」と話した茂木選手。
朝の冷え込みが少しずつ厳しくなってきた東北地方。チームも少し寂しい状況ですが、今シーズンのスタッドレスタイヤに履き替える前に、茂木選手の復帰を期待してまっています!
◆ ◆ ◆
※「文春野球コラム ペナントレース2020」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/40607 でHITボタンを押してください。
この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。