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『新感染半島』カン・ドンウォンが暴露 鬼才ヨン・サンホ監督は「『あっ』って顔を撮ったら、すぐ『カット!』の声がかかる」

「映画が公開された7月には、韓国では映画館の稼働は半分程度でした。今では8割まで回復していますが、映画館に来るお客さんはまだ全体的に少ない状況です。韓国の日常生活はほぼ元に戻っていて、僕もマスク以外には支障を感じていません。感染者がまた増えてきたので今後はわかりませんが」

 シンガポールなどアジア各国でもヒットし、米ハリウッドレポーター誌は「コロナ禍の世界で最も成功した作品」として取り上げた。こうした状況を自身はどう思っているのだろうか。

このタイミングでの公開は不安もあった

「万感が交錯するというか、複雑な気持ちです。この映画が、落ち込んでいた映画界に光を当て、扉が再び開いた。アメリカ、カナダやヨーロッパでも公開が決まったり、アジアでもヒットしたりと、映画業界を活気づけられたことは嬉しいし、韓国映画興行界の苦境の中で、反響も成績も良かったことを誇りに思います。公開前は果たしてこのタイミングの公開で良いのか、とみんな不安でした」

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 スクリーンの中でも、外でもパンデミックが起きているという、製作時には考えられない事態になってしまったのだから当然だろう。

©YG ENTERTAINMENT

「現在コロナが深刻化しているアメリカのメディアにはまさにそう言われているようです。韓国はパンデミックまでいかなかったので、そういう指摘はあまりなかったんです」

 しかし、カン・ドンウォンのような大スターが、ヒット作の続編に出演するというのは異例のことだ。

「オファーを受けたときは、既存作品の続編に出るというのはどうかなと正直思いもしました。僕は安定よりも、冒険を求めるタイプですから。でも脚本を読んでみたら、これは前作とは違う独立した映画だと思えたんです。お客さんはむしろ『新感染』を観ていなくても構わない。ポスト・アポカリプス(終末もの)映画をやってみたかったんですが、まさにそういう脚本でした。