神木の性格を作っている母が伝える“家訓”
それにしても、なぜ神木がこうも人付き合いが難しそうな“美形陰キャ俳優”でさえ虜にしてしまうのか。
神木は「新R25」(2019年2月14日)のインタビューで、自分の性格を作っているものとして“家訓”をあげている。幼い頃から母親に「性格のかわいい人でありなさい」「真逆の意見も一度は受け入れなさい」「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と言い含められてきたという。
実際、これまで何度かインタビューする機会があったが、いつでも礼儀正しく、聞き手を真っすぐ見て笑顔で答える彼の姿は、謙虚で、真面目で、爽やかそのもの。昨年、ドラマ「集団左遷!!」(TBS系)で先輩・後輩を演じた神木と井之脇海にインタビューをしたときには、井之脇がこんなエピソードを語ってくれた。神木と井之脇は子役出身俳優の先輩・後輩として、中学時代からの交友関係がある。
「中学のときからずっとすごくフレンドリーで、楽しい人で。今もやっぱり現場ではムードメーカーなんですが、先輩方と話しているときなどに、さりげない気配りができるんです。しかも、その気配りが『気を遣っている』という感じじゃなく、天性のものというか」(「CLUSTER」2019年5月発売)
このインタビュー時にも、神木は“先輩”らしく、物静かな井之脇に「〇〇だよね?」などと話題を振っては、「えっ、そうなの!? 知らなかった~」などと豊かな表情でリアクションし、場を和ませていた。人当たりが良く、落ち着いていて、貫禄もあり、頭の回転も速い。テレビで見る神木は柔らかくてフェミニンな印象を受けるが、実際に会うとどこか“デキるビジネスパーソン”のような印象もあった。
2019年7月、「るろうに剣心」や「バクマン。」などの映画で共演した同じアミューズ所属の佐藤健と共に「サマージャンボ宝くじ発売記念イベント」に登壇したときも、神木の“かわいい性格”が炸裂していた。
7億円が当たったらお互いに何をプレゼントするかという質問に対し、佐藤はかねてから神木が欲しがっていたという「プラネタリウム」をあげていた。しかし、神木の答えはレベルが違った。
「マンション。部屋のチョイスも僕がして、合いかぎももらう。そこまでがワンセットです」
この答えに会場は大いに沸き、佐藤も少し恥ずかしそうに笑っていた。
俳優は孤独な職業であると言われる。とりわけ確固たる世界を持ち、ストイックに芸を磨いていく“美形陰キャ俳優”にとって、素直に好意を表現してくれる神木は貴重な「親友」なのだ。
子ども時代の愛らしい面影も残しつつ、同業者の誰もが認める演技力とキャリアを持ち、謙虚で、素直で、人当たりが良く、人との距離が近い神木隆之介。今後、芸能界でますます存在感を増していくだろう。