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「西の関東連合を目指す」大阪・ミナミの半グレはなぜ増えたか

2019年は300人以上の半グレを逮捕 (『半グレと芸能人』より#1)

2020/10/16

source : 文春新書

genre : ライフ, 社会, 読書, ライフスタイル

  そしてその言葉通り、翌月には大阪の半グレのリーダー格である相良も逮捕されることとなった――。

 「対策会議翌月の2019年10月25日、相良は強制性交容疑で逮捕されました。

 大阪市内の飲食店で、20代の女性従業員の腕をつかんでトイレの個室に連れ込み、体を押さえつけて性的暴行を加えたという容疑です。

 そして2020年1月21日には、強要容疑でも逮捕されています。2018年8月に、対立する半グレグループの10代の少女を仲間十数人で囲み、トラブルとなっていた敵対グループのメンバーに電話をかけさせた容疑です」(前出の大阪府警関係者)

 近年、大阪府内では相良、籠池を中心とした半グレグループだけにとどまらず、同じくミナミでキャッチやボッタクリなどを行う鶴見区出身の暴走族グループ「アビス」などの半グレも台頭してきている。20代のメンバーが中心のアビスは相良のグループと長年縄張り争いを続けてきたが、相良の強要容疑での逮捕は一連の縄張り争いに起因しているという。

「アウトセブンやアビスがこれまで行ってきたボッタクリ行為に関しては、店側が請求した金額を高いと客が訴えても『正当なサービスへの対価』だと店が主張すれば、民事的な争いの要素が強く、捜査当局として介入がしづらかった。ですが、ボッタクリ行為などが多発したため、法外な支払いを請求する飲食店を『強要』などの容疑で厳しく取締まることとなったんです」(同前)

©iStock.com

 取締りを強化したこともあり、大阪府警は2018年には約200人、2019年は300人以上の半グレを逮捕、書類送検している。

「それでもアルバイト感覚でキャッチをしたり特殊詐欺などの受け子になったりする若者は後を絶たず、イタチごっこが続いている状態です。2020年2月に大阪府警生活安全特捜隊は、売春防止法違反(場所提供)の容疑で半グレグループ『風花一門』のトップのH容疑者(当時40)を逮捕しました。HはSNSで知り合った20代女性と、売春させる目的で雇用契約を結ぶなどしたとして、3月には売春防止法違反(契約)容疑と職業安定法違反(有害業務目的紹介)容疑で再逮捕されていますが、関係先からは2億6000万円が押収されており、大阪府警は売春で稼いだものと見て捜査を進めています」(前出の大阪府警担当記者)

 この事件ではHのほかにも、売春宿で働く女性のスカウト担当だったW容疑者(当時35)と、売春宿の責任者・A容疑者(当時26)が逮捕されている。大阪府警は府内にこうした半グレグループが少なくとも50はあると見ており、2020年4月には半グレを捜査する専従班を、府警本部の暴力団担当部署である捜査四課内に設置した。

半グレと芸能人 (文春新書)

大島 佑介

文藝春秋

2020年10月20日 発売

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