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――やはりアマチュアが観て参考になる棋士という方がいると。

高野 渡辺明名人、豊島将之竜王、藤井聡太二冠、永瀬拓矢王座……。こういった方々は「観賞用」ですね(笑)。

――以前、アマチュアの方が見て参考になる棋士として鈴木大介九段や村山慈明七段の名前を挙げておられましたが、今、オススメの棋士の方はいますか?

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高野 うーん……。あ、いましたよ! 加藤結李愛女流初段です。居飛車党なんですが、対振り飛車などはお手本となるような急戦を指されていて、とても参考になると思います。初段を目指す方は、ぜひ見てください。

渡辺明名人や藤井聡太二冠の将棋は「鑑賞用」? 写真提供:日本将棋連盟

棋力が上がって、プロのすごさがよりわかるように

 漫画家のさくらはな。さんは、7年前に将棋を始めたときは「歩」の動かし方も知らなかったという。そこから教室に通ったりしながら腕を磨き2年前に初段になった。今でも、家にいて中継があれば一日中見ているという筋金入りの「観る将」でもある。

『将棋「観る将になれるかな」会議』より ©️さくらはな。

――見ていて楽しいのはどういったところですか?

さくら 楽しいのは、メールコーナー。棋士の一日の紹介とか、将棋の内容よりも、解説と聞き手の先生の会話が面白いですね。

――でも、ちょっと将棋がわかると見方も変わりませんか?

さくら 手筋の解説が勉強になるなと思ったり、終盤、どうやったら詰むのか考えたりするようになりました。お昼の休憩のとき出題される詰将棋もするようになりましたね。棋力が上がると、少しずつ指し手がわかるので、プロの先生のすごさがよりわかるようになった感じがします。

――今、注目している先生はいますか。

さくら 聞き手の先生だと、今、一緒にお仕事もしているので山口恵梨子先生(女流二段)。あと、お話が面白いので貞升南さん(女流初段)。棋士の先生だと、お世話になっている戸辺誠先生(七段)、藤森哲也先生(五段)、そしてもちろん高野先生。ただ、もう観ていてドキドキするようになって。

『将棋「観る将になれるかな」会議』より ©️さくらはな。

――中継されていた対局が、怖くて途中で観られなくなったって言ってましたね(笑)。

さくら 負けちゃったらどうしようって(笑)。

――そうやって熱心に観ていると、いろんなことがわかるようになりますよね。

さくら 私は、一日中観ているので、画面を観なくても声だけで、だいたい誰かわかるようになりました。観るほうは、たぶん三段くらいありますよ(笑)。