昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

特集観る将棋、読む将棋

「みろく庵」なきあと激動の1年間だった「将棋めし」 大賞に輝いたのは……

観る将アワード2019・完全中継 #3

2020/04/04

 今年度の将棋界を振り返る「観る将アワード2019」。全3回の後編となる本稿では、「ベストドレッサー」「将棋めし」「棋譜コメント」の3部門の発表を深浦康市九段と遠山雄亮六段による選考座談会の模様とともにお届けする。

 最初の「ベストドレッサー」部門は、やはり「貴族」がダントツの票を獲得した。

観る将ファンには、子煩悩な父親としても知られる深浦康市九段

ぶっちぎりの票を集めた佐藤天彦九段

――まずベストドレッサー部門です。なんとなくあの人に票が集まるのかな……と思っていたのですが、やはり佐藤天彦九段のぶっちぎりでした。

〈木村王位の祝賀会でお会いした時に天彦九段の袖にチラッと見えたカフスに、序盤中盤終盤隙が無いって表現はファッションにも使えるかも…と思いました〉(49歳/女性)

〈そのボタンはなぜ多いの? そのネクタイの柄は何? 等々着用されている服装への疑問にちゃんと意味や理由があるところ!〉(36歳/女性)

 

〈流石、貴族です。着こなし、センスも天彦さんが一位でしょう〉(44歳/男性)

――みなさん、天彦先生のことが大好きなんですね。

深浦 天彦くん優しいんですよね。自分はそんなにファッションを気遣うほうじゃないんですけど、ボソッと「深浦さんのタイの結び目、上手ですよね」って言ってくれるんです。

――わはは(笑)。

深浦 そこまで見ているのか。

遠山 棋士会で、クリスマスフェスタをやったんですが、ちゃんとクリスマスに合わせた服を着てきてくれるんですよ。本当に気遣いがすごい。

「目を惹く派手さはないけどマイナス点がない」藤井聡太七段

――藤井聡太七段も多くの票を集めていました。

〈高校生らしくリュックとスーツの着こなしが爽やかです。寒い時期にはグレーのセーターも似合っていて、途中脱いだ時のたたみ方も丁寧。藤井七段はネクタイのプレゼントも多いと思いますが、ワイシャツがいつも質の良いものだと感じています〉(39歳/女性)

〈目を惹く派手さはないけど、透けないシャツやネクタイ、靴下の小物など、マイナス点がない。局後の着崩れ感も若さがかわいらしい〉(45歳/女性)

遠山 みなさんよく見ていますね。

深浦 ちょっとお母さん目線な感じですね(笑)。

遠山雄亮六段には「長身にカラーシャツ、丸眼鏡がおしゃれ!」という投票も

――中川先生(大輔八段)も人気です。

〈服に着られることなくご自身のスタイルを確立されているところ。どんな服もダンディに着こなすベテランモデルのような風格は、たとえ天彦先生や大橋先生など若手のファッショニスタでも敵いません〉(47歳/女性)

――『週刊文春』が「ビームス」とコラボしたときも、中川先生がスーツを着てくださったんですが、これもきまっていました。

遠山 私はちょっと世代が違うのですが、中川先生って、昔からおしゃれでしたか?

深浦 若い頃、20代の頃からあんな感じでしたよね。

――若手だと大橋貴洸六段と近藤誠也七段も人気です。

〈独特な色のスーツが話題となることの多い大橋六段ですが、着用シーンやセレクト、仕立てに至るまでご本人にしっかりとこだわりがあるため〉(35歳/女性)

 

〈近藤誠也先生は頑張りすぎないさり気ない着こなしが毎回オシャレだと思います。ピンク系の色の入れ方も好きです〉(29歳/女性)

深浦 女性ファンは、見るポイントが違いますね。

――女流棋士では、遠山先生もおしゃれと言っておられた、山根ことみさんにも票が入っていました。

〈まだお若いのに、自分に似合う服をちゃんと知っている、というのが素晴らしいなと思います〉(43歳/女性)

遠山 いろんな人が支持されていますが、票数では天彦さんがダントツですか。

服だけではなく小物にもこだわりが感じられる佐藤天彦九段 ©志水隆/文藝春秋

――来年やっても天彦先生がダントツになると思います(笑)。

深浦 では今回は天彦くんということで、殿堂入りしていただきましょう。

遠山 それがいいですね。