「理解する」のに年齢は関係ない
「いつ(ゲイであることを)言われても、反応は変わらなかったよ」と祖母は私に言う。
思わず「こんなにおばあちゃんが理解してくれるんだったら、もっと早く言っちゃえばよかった」と伝えると、祖母はいたずらっ子のような笑顔で笑っていた。
祖母にはきっと理解してもらえない、年齢で人を決めつけ、偏見を持っていたのはむしろ私の方だった。
ツイッターで祖母の手紙を投稿すると、非常に多くの反響があった。特に、当事者から私と同じように「年配の方には理解してもらえないと思い込んでいたのは自分の方だった」と励まされたという声を届けてくれた人もいた。
足立区議の差別発言に、82歳になる自分の祖母が怒り心頭で、議員に手紙を書いたと連絡が来た。
— 松岡宗嗣 (@ssimtok) October 5, 2020
「同性愛は趣味とお考えではないでしょうか?とんでもない思いちがいです」
「これ以上LGBTの人々が苦しまずに生きていけるようにすることが政治が行うべきこと」
おばあちゃん心強すぎて涙出た😭 pic.twitter.com/q9e8HpD0SM
足立区議の発言で心を痛める当事者は多い。年配の人たちの方が、性に対する規範意識が強いというのも否めない。実際に親や祖父母へカミングアウトして受け入れられず、縁を切られ家から追い出されたという当事者もいる。私のケースは本当に幸運なものだと思う。
それでも、最終的には適切な理解に年齢は関係ない、そのことを祖母の手紙から実感させられる。
「プリン作って待ってるよ」祖母はそう言ってくれた。コロナ禍ではあるが、年末年始あたりにはまたパートナーと一緒に帰りたいなという思いを強くした。
むしろ今度は祖母と一緒にプリンを作りたい。そのプリンを食べながら、祖母の昔話の続きを聞きたい。