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欅坂46ドキュメンタリー映画に見た「悲劇」と「未来」 新グループが目指すのは‟再開発後の渋谷”ではない

10月13日は「欅坂46」最後の日

2020/10/13

 欅坂46がきょう10月13日、昨日に続いて代々木第一体育館で無観客配信ライブ「THE LAST LIVE」を開催し、いよいよこのグループ名での活動を終了し、新たに「櫻坂46」の名で再出発する。

 7月の配信ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online,but with YOU!」の終演時にキャプテンの菅井友香から改名が発表されてから約3ヵ月。気になる新グループ名は、9月20日夜に渋谷スクランブル交差点の街頭ビジョンで発表された。新体制への移行に向けて着実に準備は進み、今後の展開に期待が高まる一方で、欅坂という名前との別れにちょっと名残惜しさも感じる。

2018年の紅白歌合戦 前列右から2人目が現キャプテンの菅井友香 ©文藝春秋

 きのうから始まった「THE LAST LIVE」は、欅坂46公式サイトでの説明によれば、1日目と2日目はそれぞれ“静”と“動”ともいえるまったく別のセットリストになるという。昨夜の1日目は、デビュー曲の「サイレントマジョリティー」に始まり、「不協和音」「黒い羊」など、シリアスでどちらかといえば“動”というべき曲を中心に組まれていたが、そうなると2日目の今夜は落ち着いた選曲となるのだろうか。

 いずれにせよ、代々木第一体育館の広い空間を存分に生かし、照明やプロジェクションなども駆使してのドラマチックな演出は、これまで多くのライブで観客を魅了してきた欅坂の集大成にふさわしいものであった。曲のあいまには、各メンバーにひとりずつスポットが当たり、過去の映像や声が流され、グループの歴史を振り返る趣向も目を引いた。

映画で見えたメンバーたちの葛藤と新事実

 グループの歴史といえば、先月4日には、欅坂46の結成から5年間の足跡を追ったドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』(高橋栄樹監督)も公開された。多くの劇場では今週木曜(10月15日)には上映が終了するようだが、ここでは、グループ改名後の展望を見出すうえでも、本作を振り返ってみたい。

石森虹花(右端)のスキャンダルもあった ©時事通信社

 欅坂は昨年2月発売の「黒い羊」以降、新譜が1年以上もリリースされず、また、すべてのシングル表題曲でセンターを務めてきた平手友梨奈がたびたび休業した末、今年1月にはグループを脱退するなど波乱が続いた。それだけに、グループ内で一体何が起こっていたのか、ドキュメンタリーではどこまであきらかにされるのだろうかと、制作が告知されて以来、筆者は気になっていた。

 いざ封切られて観てみると、思いのほか踏み込んだ内容だったので驚いた。たとえば、「黒い羊」のあと、欅坂では初めてニューシングルの表題曲を歌うメンバーの選抜を行ない、ミュージックビデオ(MV)の撮影も進められたものの、結局、センターだった平手友梨奈の事情から発売延期となったという。ほかにも、2017年暮れの紅白歌合戦の直後に平手が一旦グループから離れたいと、ほかのメンバーに直接打ち明けていたことなど、この映画によって初めてあきらかになった事実は多い。